自粛期間中はカヌーから離れ自らを見つめ直すきっかけに…自宅での独自トレーニングが話題に
愛知・豊田市出身のカヌースラロームの羽根田卓也選手（33）。甘いマスクで女性にも人気の、日本を代表するアスリートだ。
リオオリンピックではアジア勢初の銅メダルを獲得。長年、カヌーの本場スロバキアを拠点にしていたが、2020年はコロナの影響で、15年ぶりに日本で活動した。
自粛期間中には、自宅での様々なユニークな練習を公開し話題となった羽根田選手が、今ハマっているのが“神社仏閣”と“刀”。ちょっとマニアックな羽根田選手の素顔に迫った。
2020年6月。東京を拠点とした羽根田選手は、オリンピックのカヌー競技場も閉鎖されたため、練習は近くの公園や、一般の人と同じように100円の入場券を買ってトレーニングを続けた。
羽根田選手（2020年6月）:
大会や予定はすべてキャンセルになってしまったので…。今は、次の自分のパフォーマンスに向けて何ができるのかっていうのを日々問いながら練習をしないとならない
そんな中、羽根田選手が自宅でやっていた”独特すぎる”トレーニング。浴室でのパドルで漕ぐ練習や、ハンマーでひたすら庭の土を叩く練習が話題になった。
羽根田選手:
たまたまお家に樽があったので、樽にレンガ詰めてバーベルの代わりにしたりとか…。カヌーに繋がっているかどうかわからないんですけどね
自粛期間中にカヌーから離れて気付くこともたくさんあった。自分自身と見つめ合う時間を多くとることができ、メンタル面ではプラスになったという。
東京オリンピックでは2大会連続のメダルを期待される羽根田選手。今、一番力を入れていることは「東京五輪のコースの水の流れを熟知すること」だという。
カヌーは「地の利」が強く影響する競技で、コースごとに水の流れが全く違うため、それを熟知した選手が非常に有利。
羽根田選手は東京五輪のコースは、「複雑な流れが入り組んでいるテクニカルなコントロールと技術力が求められる」という。
羽根田選手は今、このコースに適用するため、強みの身のこなしや、水の流れを掴むフィーリングを徹底的に強化している。
刀の持つ凄まじさが新たな刺激に…世界のハネタクは「日本史」に触れてリラックス
羽根田選手のインスタグラム。華麗にギターを弾いたり、お茶を楽しんだり…と、とにかく趣味が多い羽根田選手。そんな中、今一番ハマっているのは「日本史」。
羽根田選手:
大好きなんです、昔から。仏像とかお寺とか神社とか。読んできた本もほとんど歴史小説で、今でも日本史に触れることが僕の何よりのリラックスです
おすすめは、京都の東寺にある仏像「立体曼荼羅」だという。曼荼羅とは密教で悟りを開くために生まれた絵のこと。
羽根田選手:
（曼荼羅は）絵で現わされることが多いんですけど、銅像・仏像で弘法大使・空海が作ったんですね
様々な大きさの仏像があり、迫力があり、良い空間だという。
羽根田選手が尊敬する歴史上の人物は、新選組の剣士・土方歳三。信念を持った生き方に共感するのだそうだ。そして、”刀剣マニア”でもあり、インスタグラムにもたびたび刀の写真を投稿している。
羽根田選手:
うずくところは「魂」ですかね。引き込まれるような。古い刀に凝縮された歴史と技術と伝統と。理解してみると、刀の持つ凄まじさがわかって、新たな刺激をくれる
故郷に帰った時の楽しみは名古屋メシ…愛知・豊田市出身の羽根田選手は根っからのプリン党
羽根田選手に地元・愛知の魅力を聞くと、答えてくれたのは、他県に誇るグルメ。
羽根田選手:
スロバキアに行って帰ってくると、楽しみというと名古屋グルメ。味噌カツとか、そういうものを食べることが帰ってきた時の楽しみになっていた
中でも、大好きなのがプリン。そこで、もっちりとした食感で、名古屋の手土産としても人気の「三和の純鶏名古屋コーチンたまごプリン」を羽根田選手に食べてもらうと…
羽根田選手:
美味しい！幾千ものプリンを食べてきましたけど、こんな濃厚なプリンはなかなか食べたことないですね。これは美味しい
元旦からひとりスキー場でトレーニング…「東京五輪のために僕は今生きている」
2021年の元旦から、新潟のスキー場でたった1人、トレーニングを始めた羽根田選手。東京オリンピックへの意気込みを聞いた。
羽根田選手:
願っても出られる大会ではないじゃないですか、自国開催の五輪は。臨めるのは選手冥利に尽きること。東京五輪のために僕は今生きているので、これ以外他に考えるものがない
東京五輪に向かって自分のすべてを捧げることが自分の人生、と話す羽根田選手。その視線の先にあるのは、夢の舞台だ。
（東海テレビ）
