秒進分歩と言われるインターネットで、ここ最近「Clubhouse(クラブハウス)」というアプリが急に大きな注目を集めている
 

アプリ画面
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Clubhouseとは、アメリカのAlpha Explorationが2020年3月から展開している音声SNSで、今のところiPhone用のアプリが公開されている。
利用は無料だが、参加するには既存ユーザーから招待されるか、名前を登録して公式からの招待が必要になっている。
また1人のユーザーが招待できるのはわずか2人になっており、フリマサイトなどではこの招待枠を高値で出品するケースも出ているという。
 

Clubhouseの最大の特徴は、コミュニケーションに「音声」を使うことだろう。
アプリを開くとたくさんの「ルーム」があり、その中に入ると様々な人の「会話」を文字通り音声で聞くことができる。自分も会話に参加したいときは「挙手」をして招待されるか、または自分でルームを作ることも可能だという。
 

ユーザー間で「フォロー」したりする仕組みあり、Twitterに似ていることから「音声版Twitter」などと呼ばれ、世界では週間約200万人のユーザーが利用しているとも言われるが、なぜこんなに人気なのか?そして「招待枠」の購入に落とし穴はないのか?
ITジャーナリストの三上洋さんに聞いてみた。ちなみに三上さんも、Clubhouseは取材の前日から使い始めたばかりだという。
 

「立食パーティー」のようだなと思いました

――Clubhouseはなぜ話題になっている?

まず、Clubhouseの仕組みは今までになかった新しいものです。
名前の通り、サークルや同好の士が集まるクラブのように、みんなで音声で話します。そして誰でも聞くことができ、選ばれた人は会話に加わることができます。

このような新しい仕組みに敏感な人たちが参加しているのですが、招待制をとっているのでIT系やテック系の大物が、仲間の大物をどんどん呼び込んで、さらに大きな注目を集めるという連鎖反応が起きています
 

――人が増えると「ルーム」だらけで迷うのでは?

今のところ参加人数が限られていますし、ルームはジャンルから選ぶこともできます。
またTwitterと同じように自分がフォローしている人のルームや、参加人数が多いルームは上位に表示されます。

例えば昨日は、ある女性タレントのルームに1000人以上が集まっていました。
すると、その人をフォローしていないユーザーの画面にも紹介されるので、また聞きに来る人が増えるということになります。
 

――実際に使ってみた感想は?

Clubhouseは「立食パーティー」のようだなと思いました。
例えば、10~20人のルームがあると、その中心で4~5人が話をしていて、「あっ○○さんも一緒に話して」と声をかけたり、また「私も話したい」と手を挙げる人がいたりするイメージです。

名前は知っているけど話したことない人や、昔は話したことがあるけど最近は会ってない人など、いろんな人と気軽に話せるところがいいところだと思います。
 

日本でも大流行する?

そしてClubhouseには別の面もあるようだ。
Twitterでは、Clubhouseを使うと「パーティーの中心ではなく壁際でスマホをいじっている気分になる」という声もあり、三上さんもリツイートして「まさにこの気分」と同意している。
 

――パーティーが苦手な人は向いていない?

パーティーは、いろんな人と喋れる人とそうでない人がいますが、Clubhouseは会話を聞くだけでもOKなので、どんな人でも楽しめると思います。
 

――日本でも大流行する?

現在のような超大物やアーリーアダプターなど、限られた人がやっている感じはたぶん数週間、1~2カ月は続くと思います。
ただ、ユーザー数が数万を超えてくると、ちょっと状況が変わる可能性があります。今ほとんどの人は、誰でも参加できるオープンのルームを使っているんですが、クローズも多くなってくるでしょう

また、いい方は悪いですが「出会い系」的になってしまう可能性もあります。
人数が増えてくるとコントロールが難しいサービスかもしれません。Twitterのような大きな「マス」を相手にするコミュニケーションサービスではなく、かなり限られたものだと思います。
 

――参加したくてもできない人は?

招待制度はこれからも続くと思いますが、登録しておけば、そんなに長くかからず参加できるようになると思います。
 

「招待枠」を買う価値は全然ない!

――フリマアプリなどで「招待枠」を買う価値はある?

いや、全然ないですよ。
というのは、誰から招待されたのかプロフィールに明記されるんですよ。
ですので、全然知らない人から「買った」のではないかということがずっと残ってしまいます。
そういうことはしない方がいいでしょう。
 

電話でもラジオでもポッドキャストでもない新しい音声サービスは日本に根付くのだろうか。
Clubhouseが気になっている人は多いだろうが、新しいだけにまだ未知数の部分は大きいそうだが、「招待枠」を買うのは辞めた方がよいのではないだろうか。
 

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。