「施設に空きがない」…自宅療養・待機が増加

突然、容体が急変する恐れがある新型コロナの感染症。感染し、医療機関や宿泊療養施設に入れないとなると、しばらくの間、自宅で待機せざるを得なくなる。

福岡県内では1月25日、自宅で療養していた男性1人が亡くなったことが確認された。自宅療養者の死亡は県内ではこれが初。自宅療養の注意点などを専門家に聞いた。

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新型コロナに感染した妻と同居する夫:
同じ空間にずっといなければいけないので、うつっちゃってもしょうがないかなと、ちょっと思っている

新型コロナに感染した妻と別々の部屋で生活する夫

福岡市に住む会社員の男性。男性の妻は1月上旬、新型コロナに感染。保健所から「宿泊療養施設に空きがない」と言われ、入所できないまま、自宅で療養を続けた。

新型コロナに感染した妻と同居する夫:
別々の部屋にいるようにして、妻には和室に行ってもらって、僕が別の部屋で生活している状態

増え続ける自宅待機。家庭では、どの程度の対策が求められるのだろうか。

自宅待機が増加する中で求められる対策は

北九州市立八幡病院・伊藤重彦院長:
陽性者が1人いる状況で感染対策をするというのは、施設や病院と同じように、徹底した対策が家庭でも必要になる

北九州市立八幡病院・伊藤重彦院長

トイレでは「2段階の消毒」を

感染対策で重要なのは消毒。例えばトイレでは、感染者が使うたびに家族は、ドアノブや便座など感染者が触れた場所を全てアルコール消毒する必要がある。この時、「2段階の消毒」が必要だと伊藤院長は話す。

感染対策では「消毒」が重要

北九州市立八幡病院・伊藤重彦院長:
最も無防備で清掃ができるのは、感染者。もう感染しているから、自分の手でいくら消毒しても自分が感染することはない。触る場所も、至るところに触れずに、決めたところだけを触る。そして感染者自身が自分の手で、必ず終わったあとに全ての消毒をいったん終えておく。
そして、さらに次の人が入るときも、その入るドアから消毒して、いったん消毒を終えて、そのトイレを使う。だから2段階の消毒のうえで、感染していない人はトイレを使うことが大切

感染者自身も行う「2段階消毒」を

また、トイレ同様に自宅での生活に欠かせないのが、入浴。どれほどの感染リスクがあるのだろうか。

トイレ同様、生活に欠かせない入浴

北九州市立八幡病院・伊藤重彦院長:
基本的に、お風呂の中では飛まつで汚染することもありませんし、シャワーでざっと洗い流しておけば、そう心配はいらない

衣類は「数日たったものを洗濯」

一方で、気をつけないといけないのは、脱衣所だという。

北九州市立八幡病院・伊藤重彦院長:
脱衣所は、下着にウイルスがたくさんついていますから、感染者はウイルスがついた下着をビニールに入れておく。そして、ビニールのふたを閉めて、さらにそれを大きなビニールの入ったゴミ箱に入れておくことが重要

感染した人の衣類の洗い方にもポイントがある。

北九州市立八幡病院・伊藤重彦院長:
毎日、ウイルスがたくさん生きている状態で、用心しながら洗うよりも、数日たったものを洗濯していく。数日おけば、その中の下着のウイルス力は格段に減る。1週間前のものを洗濯すれば、ほぼウイルスはいない状況と思っていただいていい

「数日たつとウイルス力は格段に減少」

感染者とは部屋を分け、こまめに換気することも重要。

こまめな換気も対策のポイント

急変しやすい“呼吸苦”…感染者の容体に注意

家庭内での感染対策と合わせて感染者の容体にも気をつける必要がある。

北九州市立八幡病院・伊藤重彦院長:
呼吸苦というのが急変するときのタイミングで一番起こりやすい。熱は高くても急変に結びつかないことも多いが、呼吸苦は息苦しいと思った1時間後に突然ショックになるようなこともある

感染者の容体にも注意

また自宅での急変を防ぐには症状を客観的に見ることができる装置が必要だと話す。

北九州市立八幡病院・伊藤重彦院長:
その人の状態を正確に表せる指標として、パルスオキシメーターによる酸素飽和度の数値が、非常に信頼があると

パルスオキシメーターは、血中の酸素濃度を測定できる装置で、介護施設などでは利用者の健康状態をチェックするために従来から使われている。

パルスオキシメーター

指先を挟むだけで簡単に測定が可能で、酸素濃度が95%を下回ると医療機関の受診が必要となる。

日高朋美記者リポート:
パルスオキシメーターが売られているコーナーなんですが、全て品切れのため在庫がないということです

パルスオキシメーターは1台約7500円から購入することができるが、ここ2、3カ月で爆発的に売れ始め品切れが続いている。

ビックカメラ天神2号館・松隈由利香さん:
去年なんかは、ひと月にだいたい1個売れるか売れないかくらいの数だった。メーカーが欠品していて医療従事者の方に優先的にいくということで家電量販店の方には数がない状況

北九州市立八幡病院・伊藤重彦院長:
パルスオキシメーターを家庭に、特に急変しそうな対象者を選んで配備することができれば、早めに急変を見つける手段になる

感染者の急増で日に日に状況が悪化するなか、感染者の受け入れ体制強化が急務となっている。

(テレビ西日本)