2020年を振り返ると新型コロナウイルスに関心が集まる年となったが、その他にもTwitter上でいろいろな話題が注目を集め、中には数万にも及ぶ人からリツイートされる“バズる”体験をした人も。

ただ、“バズりたい”という願望はあってもそうなるのは一握りで「実際バズったらどんなことが待ち受けるのか」は経験したものにしかわからない。

2020年の締めくくりとして、そんなバズった投稿者に、当時体験したことや、気になるその後を聞いてみた。

”子犬”を保護したはずが「キツネでは?」

北海道で路上にいた“子犬”を保護し、飼い主を探す内容を2020年5月にTwitterに投稿したところ、「子犬ではなくキツネでは?」とネット上で話題となった。

本日14:30頃、月形町の国道275号の路側帯にいた子犬を保護しました。セブンイレブンを札幌方向に向かって少し進んだあたりです。(信号手前)
病院に連れていったところ
・生後1~2ヶ月
・女の子 とのこと
心当たりのある飼い主の方がいらっしゃいましたら連絡お願いします

このようなコメントともに、北海道在住のMARCY(@marcy_com)さんが投稿したのは、茶色い毛とぱっちりした目が特徴的な“子犬”の写真。

MARCYさんは、札幌市の北東にある月形町の国道で“子犬”を発見し保護。その後、病院に連れていくと、生後1~2か月の雌だということが分かり、ひとまず実家に預けることにしたが、投稿が拡散されると予想外の反応が返ってきたのだ。

保護当時の写真(提供:MARCYさん)
この記事の画像(10枚)

多くのユーザーから「子犬ではなくキツネでは?」との声が寄せられ、再び病院で確認してもらったところキツネだと判明した。

獣医師からは「法律でキツネの飼育は禁止されていないが、野生の本能が強いため犬のように飼育することが困難。さらに犬のように家の中で飼うことができない上に、外で檻の中で飼ったとしても周囲に迷惑がかかり、ストレスで長生きすることができない」と言われ、飼えないと判断したが、見つけた場所にそのまま返すのも心配…。(※野生のキツネは「鳥獣保護法」で保護の対象になっているため、許可なく捕獲はできない)

そこで「北きつね牧場」(北見市)に相談したところ、キツネを引き取ってくれることになった。その後「ルナ」と名付けられ、現在も「北きつね牧場」で飼育されているという。

保護当時のルナ(提供:MARCYさん)

この予想外の結末を迎えた投稿に、当時は「小さな命が救われて良かったです」「優しい方に保護されて何よりです」「ルナちゃんよかった」というコメントが寄せられた、そして、保護から北きつね牧場に引き取ってもらうまでを報告をしていたMARCYさんの一連の投稿は、12月下旬までに合計約2万2000いいねを集めている。

さらに、テレビ局やネットニュース、新聞社とさまざまなメディアに取り上げられた。

(参考記事:“子犬”を保護したはずが…飼い主を探すためTwitterに投稿すると「キツネでは?」

仕事を終え会社に戻ろうと自動車で走行していたところに遭遇したキツネの「ルナ」。子犬の保護のつもりでを投稿したところ、バズる結果となったが、その後は何か変化はあったのだろうか?

また取材当時は、預けてからは「ルナ」に会えていなかったとのことだが、再会はできたのだろうか? MARCYさんに話を聞いてみた。

5月から毎月会いに行っている

ーーあの投稿をした理由を教えて

保護した当初は子犬であると信じており、飼い主が探しているかもと思い投稿しました。 最初に「拡散希望」と投稿した時点ではキツネであるという発想はありませんでした。


ーー保護から半年以上が経ったが、その後に「ルナ」には会えた?

5月に保護してから毎月、北きつね牧場に会いに行くことができました。会いに行くたびに大きくなり、仲間たちと元気に遊ぶ姿が本当に嬉しかったです。

2020年11月撮影のルナ、今では立派なキツネに(提供:MARCYさん)

ーー保護した時は全く「キツネ」だとは思わなかったの?

犬と思い込んでいたため、そのような指摘がくることは予測していませんでした。なので客観的な指摘をいただけたことが助かりました。

2020年11月撮影のルナ(提供:MARCYさん)

ーー「バズってる」と感じたのはいつだった?

FNNプライムオンラインの記事がYahoo!のトップページに掲載されている時です。それまでもテレビやネットニュースで取り上げていただいたりしましたが、ピークはそこだったと思います。


ーーここまでバズると思わなかった?

犬であって、飼い主の方が見つかればとの思いだけだったので、バズるどうこうは頭になかったですね。ただ、ツイートが伸びて多くの人に見てもらうことで飼い主が見つかればいいなとは思っていました。


ーー今までで一番のバズりだった?

はい。後にも先にもこれが最後になると思います(笑)

「キツネの魅力にとりつかれました」

ーーではバズった時、どう思った?

いただいた返信の内容が好意的なものばかりでしたので嬉しかったです。野生動物の保護はデリケートな問題ですが、命を救いたい一心で動いた結果が、みなさんに認めていただけるものになって本当に良かったと思いました。


ーーたくさんの取材があったようだけど、どうだった?

最初はテレビ局の電話インタビューだったのですが、初体験で緊張しました。でも局の方が気さくな感じで話してくれて素の自分で受け答えできたと思います。ネットニュースの取材は、元々メールなどで相手に伝える文章を作るのが好きだったので楽しかったです。

貴重で面白い体験をさせていただいたと思っております。

2020年11月撮影のルナ(提供:MARCYさん)

ーーバズってうれしかったことはある?

ルナを保護して、北きつね牧場に足を運ぶ度にすっかりキツネの魅力にとりつかれました。そして牧場の方たちやTwitterで仲良くさせてもらってるキツネ好きの方たちに出会えたことが嬉しかったです。


ーー困ったことはあった? 

困ったことは特にありません。


ーーでは、リプライで印象に残っているものを教えて

一番インパクトがあったのは、エルサルバドルの方からいただいたコメントです。スペイン語圏のネットニュースに取り上げられたらしく、そんな遠くの国まで届いていることに驚きました。


確かに、MARCYさんの投稿には英語やドイツ語、スペイン語など海外からもコメントが寄せられている。

懐かしい友人から連絡が来た!

ーーフォロワー数に変化はあった?

単純な数でいうと、400弱くらい増加しました。


ーー現在もバズった時のフォロワーと交流は続いている?

はい。このときをきっかけに仲良くさせて頂いているフォロワーさんがいます。


ーーバズって何か変化はあった?

懐かしい友人から連絡が来て嬉しくなりました。今はコロナ禍で飲み会をすることが難しいですが、また仲間で集まれた時には面白い話ができると思っています。

2020年11月撮影のルナ(提供:MARCYさん)

ーー家族の反応はどうだった?

メディアに出ることを事前に教えてなかったので、驚いていました。また、私の周りの身近な人がキツネ好きになりました。


ーー現在もバズる前と変わらない?

北きつね牧場で撮影した写真をアップすると多くの反応をいただけるようになりました。特にルナの写真や動画は温かいメッセージをいただけます。


ーーまたバズってみたいと思う?

明るい内容であればいいなと思います。ただ、狙ってバズるのではなく、結果としてバズるのがいいですね。


ーー投稿を見て「ルナ」に会いに行った人がいるようだけど、どう思った?

本当に嬉しく、自分の対応が間違っていなかったんだなと思うことができました。ルナの他にもかわいいキツネ達が北きつね牧場にはたくさんいるので、これをきっかけに「キツネ沼」にハマっていただきたいと思います(笑)

2020年12月撮影のルナ(提供:MARCYさん)

ーー最後に、これからバズりを迎える人にアドバイスするとしたら?

偉そうに言える立場でもないのですが、まず相手に感謝を伝えてみてはいかがでしょうか。例えば、自分と違う意見をいただいた際に「ご意見ありがとうございます」と一言添えてから「私はこう思う」と意見を述べた方が円滑にコミュニケーションできると思いました。  

私の場合は「拡散希望」と最初に投稿したので、それに対して意見をいただいた際には、まず感謝を述べるようにしていました。

保護から1カ月後(6月撮影)のルナ、少しキツネらしい姿に (提供:MARCYさん)

MARCYさんのTwitterには、保護した時よりも大きく成長したルナの写真がたくさん投稿されており、今後もMARCYさんのTwitterで見守ることができそうだ。

なお北きつね牧場には、道内で保護されたキツネがたびたび持ち込まれているという。同牧場は保護施設ではないため、安易に保護しないでほしいとしている。
 

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