防衛省は北海道旭川に自衛隊看護官を派遣
東京では8日、新たに352人の新型コロナウイルスの感染が確認された。一方、北海道は旭川市への自衛隊派遣を要請。これを受けて防衛省は北海道に災害派遣命令を出した。
岸信夫防衛相:
北海道に対する応急的な医療支援が必要との判断に至ったことから、早ければ12月8日中にも災害派遣により自衛隊の医療支援チームを派遣することと致しました。
防衛省は国内最多となる病院クラスターが確認されている北海道旭川市に対し、自衛隊看護官を派遣することを決定した。
その旭川市では、12月8日も過去最多となる50人の感染と6人の死亡が明らかになった。
防衛省は15日からの運用を前に、看護師が50人ほど不足している「大阪コロナ重症センター」にも自衛隊看護官を派遣する方針だ。
岸信夫防衛相:
医官・看護師等の人的支援を許す限り支援を提供し、重症者・死亡者の発生を可能な限り食い止める。
自衛隊看護官どのような存在なのか
では、医療現場に派遣される自衛隊看護官とはどのような存在なのか?
看護官が所属する陸上自衛隊衛生科の職業紹介動画では、ヘリコプターによる患者の移送や治療など有事に備えた訓練が繰り返し行われていた。
実際に看護官として10年間働き、大学病院での勤務経験もある女性は一般の看護師との違いをこう語る。
元自衛隊看護官・大久保美帆さん:
危機管理はやはり一般の病院の方よりかはできているとは思います。どんどん臨機応変に作戦を変えたりということは訓練でも有事の際でもそうなっていますので、慌てたりというのはそこまではないと思うのですけれど。
これまでも自衛隊はダイヤモンドプリンセス号への対応に約2700人を派遣。また。クラスターが起きた沖縄県の病院支援や中国武漢からの帰国者らへの対応に当たってきた。
こうした活動における自衛隊の感染はゼロだ。
大阪府の派遣要請に"ヒゲの隊長”が苦言
自衛隊の派遣要請について大阪府の吉村知事は「最後の手段」と危機感を示している。
大阪府・吉村知事:
自衛隊が最後の手段なわけですから、最後の手段のお願いもしているので。
しかし、大阪府の派遣要請に”ヒゲの隊長”こと陸上自衛隊出身の佐藤正久議員が「自衛隊は便利屋ではない」と苦言を呈した。「何人でもいいからではなく、この病院に看護師約何人とか、施設消毒等具体的なものが必要」と必要な人員などを具体化してから要請すべきと指摘した。
これに対し吉村知事は「便利屋と思ったことは一切ありません」と反論し、防衛省とは水面下で調整を進めており、会見では具体的な数に触れなかっただけだとした。
そして8日の会見でも…
大阪府・吉村知事:
便利屋かと僕が思っているかのごときのツイートだったので、「やっぱりそれは違いますよ」ということは申し上げた方がいいかなと。僕らはお願いしている側なので、どういう思いでしているのかというのは誤解があってはいけませんから。
看護官の派遣で逼迫する医療体制をどこまで立て直すことができるのか?派遣は12月8日にも始まる。
(「イット!」12月8日放送分より)