2013年、京都市で『餃子の王将』の運営会社の社長が射殺された事件。京都地裁は被告で工藤会系組幹部の男に対し無罪を言い渡した。
裁判で争われたのは被告の『犯人性』
『王将フードサービス』の元社長を射殺したとして殺人などの罪に問われた工藤会系組幹部の田中幸雄被告(59)。京都地裁が言い渡したのは「無罪」だった。

田中被告は2013年12月19日、王将フードサービスの当時の社長、大東隆行さん(当時・72)を射殺した殺人の罪などで起訴された。

2025年11月に京都地裁で始まった田中被告の裁判。争われたのは田中被告の『犯人性』だった。

検察は、事件現場に落ちていたタバコの吸い殻に付着した唾液のDNA型が、被告と一致することなどを証拠として田中被告を実行犯と主張。

論告で「組織的・計画的な犯行」「背景に首謀者の存在がうかがわれる」などと述べ、田中被告に無期懲役を求刑した。

これに対し、田中被告は公判で「私は犯人ではありません」と無罪を主張。弁護側も「タバコの吸い殻は真犯人が遺留したとも考えられる」などとして無罪を訴えた。

一方、大東さん殺害に至る背景や経緯などについては、結審まで法廷で明らかになることはなかった。

そうしたなか、田中被告は、この事件を取材している週刊誌の記者に手紙を寄せ、事件に関して言えないことがあることを示唆していた。

▼田中幸雄被告からの手紙 ※提供:週刊文春編集部
「私は、一命を賭して任侠道に邁進すると心に決めた以上、自分が無期だろうが、死刑だろうが、秘め事、暗部を明かしてしまっていいとは思いません」

裁判長「事実が一切解明されていない」
そして迎えた判決公判。
京都地裁の西川篤志裁判長は、田中被告に対し無罪を言い渡した。

その瞬間、田中被告は落ちついた様子で2、3度頷いて、弁護士に頭を下げた。
無罪の理由について西川裁判長は「タバコの吸い殻は、他の日に遺留されたり、行動確認などで落ちた可能性は排斥できず、間接証拠による推認力は乏しく合理的説明を欠く」と現場のタバコは、田中被告の喫煙したものと認められるとした上で-

「田中被告がヘビースモーカーで、喫煙後もポイ捨てをしていたことから、劣化していない吸い殻を入手するのは容易」だとした。

更に「いかなる依頼者や組織が関わり、いかなるルートで実行犯に指示命令がなされたか、犯行全体の実像に結びつくような事実が一切、解明されていない」などとして無罪を言い渡した。

京都地検は、上級庁と協議の上、適切に対応したいとしている。

田中被告は、弁護士を通じ「裁判官の判決の言葉に、溜飲が下がるとともに、この4年の垢が洗い流された気持ちになりました。それでも犯人と思われた時点で人生が変わるし、失ったものも戻ってきません。検察も人間ですから、間違うこともあります。過ちは過ちとして、勇気を持って振り出しに戻って、過ちを正され、真犯人を追って頂きたい」とコメントしている。
(テレビ西日本)

