新型コロナウイルスが生活に大きな影響を与えた2020年。
まもなく2021年の幕開けだが、健康祈願のために初詣に行きたい…と思っている人も多いだろう。

そんな中、やはり気になるのが「初詣で“密”になってしまうのでは?」ということ。例年、多くの参拝者が訪れる人気の初詣スポットがどんなコロナ対策を行っているのか、事前にチェックしておきたい。

【明治神宮】

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まずは、東京都渋谷区にある明治神宮。

公式サイトによると、例年、初詣日本一の参拝客数を誇る明治神宮だが、今年は大晦日から元旦にかけての終夜開門を自粛。大晦日は6時40分に開門・16時に閉門となり、元日は6時開門・18時30分頃の閉門となる。

また、「例年は三が日の10時以降は混み合うため、分散参拝にご協力ください」とアナウンスしている。

明治神宮では、各所の消毒・清掃・換気の徹底の他、参道での密を避けるため、参拝路を規制。参道と御社殿前の石畳にはソーシャルディスタンスの目安を表示する。また、お守りや御朱印などの授与所は例年は本殿付近に設けられているが、原宿・代々木方面と参宮橋方面それぞれに特設し、混雑を緩和する予定だという。

その他、飲食を伴う店舗の出店は取りやめとなっており、授与所では参拝者がお守りなどに直接手に触れないよう、ケースに防護パネルを取り付け、おふだやお守りの見本・看板を充実させ、授与時間の短縮を図るとしている。

参拝客の人数制限などはないとのことだが、神楽殿内に入る人数については制限がかかる場合があるという。

【成田山新勝寺】

千葉県成田市にある成田山新勝寺では、堂内の換気の徹底や参列席の間隔確保のほか、受付、御守受場に飛沫感染防止ビニールガードを設置。

消毒液による定期的な清掃を行い、自由に使えるアルコール消毒液を設置するなどの対策が行われる。

大晦日から元日にかけては終夜開門され、参拝人数の制限などは行わない予定だというが、大晦日からは成田市観光協会が参道と境内の混雑状況がリアルタイムで見られる「成田山新勝寺参道ライブカメラ」の映像を配信予定。「混雑を避け、無理なくゆっくりとお参りください」と呼びかけている。

また、成田山新勝寺では、「#1月ずーっと初詣」のハッシュタグを使い、分散参拝を推奨。

成田山では、一般的に松の内までとされている正月飾りが、伝統的に1月28日まで飾られることとなっており、新春祈祷についても1月28日まで毎日行われる。「1月の成田山は、いつ来ても初詣気分を味わうことができます」として、初詣に出かける時間を例年よりもゆっくりにする呼びかけを行っている。

【川崎大師】

「厄除け大師」として知られる神奈川県川崎市の川崎大師は、マスクを着けたままの参拝を推奨。

境内の各所には自由に使える消毒液が設置され、他にも受付窓口へのビニールカーテンの設置、建物内の換気を徹底するとしている。

大晦日から元日にかけては終夜開扉され、人数制限などは設けないというが、おみくじなどの列では混雑時、ソーシャルディスタンスを保てるよう誘導などが行われる。また、2月よりお水屋の柄杓を撤去し、使用を休止するなどの対策が行われていたが、こちらも引き続き行われるほか、屋内でのお茶やお屠蘇の振る舞いも取りやめとなる。

なお参拝に行けない人のため、従来の境内窓口や現金書留による手続きに加え、インターネットより申し込める「護摩札配送」を開始。すでに多くの申し込みがあるという。

【平安神宮】

京都市左京区にある平安神宮では、大晦日6時~元日19時まで開門。1月2・3日は6時~18時30分までとなっている。

参拝の人数制限などはないというが、12月31日~1月4日までの5日間、境内にロープを張り足元に印を設置し、参拝者同士の間隔を確保する。また、自由に使える消毒液の設置などのほか、おみくじは筒を撤去し、みくじ紙を直接引くように変更。ご朱印帳への押印・墨書を停止(新たに朱印帳を購入するか、書置きでの提供)のみとするなどの対策も行われる。

なお1月1~3日の3日間は、初の試みとなるYouTubeでの境内の様子のライブ中継も行われる。公式サイトでは「参拝までにかなりの時間を要します」「混雑する正月三が日を避けた、分散しての参拝をおすすめ致します」とアナウンスしている。

【太宰府天満宮】

 「学問・至誠・厄除けの神様」として有名な福岡県太宰府市の太宰府天満宮では、大晦日は6時30分に開門、三が日は24時間開門となり、1月4日夜は参拝の状況により閉門することとしている。

なお、太宰府天満宮では令和3年3月末までを「初参り」期間として三が日を避けてお参りしてもらう「分散参拝」を推奨。正月の神縁品(縁起物)の授与期間も12月1日から3月末まで延長するとしている(神縁品はなくなり次第終了)。

また、各所には消毒液を設置。定期的な消毒を行うほか、当日は案内所周辺に大型モニターを設置し混雑などへの注意喚起を行う。その他、お守り授与所は間隔をあけることができるよう、通常よりも広めに設けられたり、例年より露店の出店数を制限するなどの対策が行われる。


他にも、多賀大社(滋賀県多賀町)では通常幅5mの初詣期間のさい銭箱を幅11mに拡張して“密”を回避したり、八坂神社(京都市東山区)では参拝客同士の接触を防ぐため、さい銭箱から鈴緒を撤去する代わりに「鈴の音を鳴らす装置」が設置されるなど、さまざまな感染対策が行われている。

新型コロナの影響を大きく受けた2020年。新たな年の始まりを安心・安全に迎えられるよう、ぜひ初詣に向かう前には寺社のコロナ対策をチェックしていただきたい。

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プライムオンライン編集部
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