手をかざすだけで鈴の音が鳴る装置

この夏、神社を訪れる予定の人もいるだろう。
これまでは賽銭を入れて鈴を鳴らしてお参りしていたと思うが、新型コロナウイルスの感染予防対策で、鈴を鳴らすための「鈴緒」は不特定多数が触れるため、掴むのをためらう人もいるはずだ。

こうした中、京都市東山区の八坂神社には張り紙がはられている。

提供:桜すず@フォルなぁれ(@mikesuzu)さん
提供:桜すず@フォルなぁれ(@mikesuzu)さん
この記事の画像(8枚)

感染予防のため社殿の鈴緒を上げております。
ご理解とご了承のほどよろしくお願い致します。


接触を避けるため鈴緒を上げて鳴らせないようにしているようだが、それでも「あの音がないと気分が出ない」という気持ちもわかる。そんな人のために、八坂神社はある装置を導入した。
 

提供:盡忠報國(@yuukyuunotaigi)さん
提供:盡忠報國(@yuukyuunotaigi)さん

賽銭箱の上に手をかざしてください
鈴の音が鳴ります


と書かれたプレートの手のイラストの方向を見ると、見慣れない装置が設置されている。その奥には、触われないように留められた鈴緒が見える。

実は、さい銭箱の上に設置された装置に手をかざすだけで鈴の音を鳴らすことができるようになっているというのだ。
 

提供:盡忠報國(@yuukyuunotaigi)さん
提供:盡忠報國(@yuukyuunotaigi)さん

この試みは八坂神社へ参拝した人には好評のようで、ネット上では「ハイテク神社」「流石やなぁ」というコメントが並ぶ。

なぜ、こうした装置をつけたのか?そもそも参拝する時に鈴を鳴らすのはどんな意味があるのか?気になる疑問を八坂神社の担当者に話を聞いた。
 

「鈴の音と共に参拝したい」という人が沢山いた

ーー装置を設置したきっかけを教えて?

鈴の緒というのは、不特定多数の方が触られるので最初は外していましたが、「鈴の音と共に参拝したい」と参拝者の方が沢山いたので装置を設置しました。


ーー参拝時に鈴の音を鳴らす意味を教えて?

鈴の音が、邪気を払う意味もありますが、心を清める・心を鎮めてお参りいただくために鈴を振るという意味があります。

新型コロナ感染拡大前の八坂神社 センサーで鳴る音は鈴の音と同じなのだろうか・・・。
新型コロナ感染拡大前の八坂神社 センサーで鳴る音は鈴の音と同じなのだろうか・・・。

ーー装置の音は八坂神社の鈴と同じ?

実際に付いている鈴を、機械の近くで振って録音した音なので、実際の鈴と同じ音が鳴ります。


ーー参拝の流れを教えて?

まず、さい銭箱におさい銭を入れていただき、設置された装置に手をかざすとセンサーが反応するので鈴の音を鳴らしていただき、2拝2拍手1拝、普通の神社と同じ作法でお参りして頂く形になります。


ーー通常の参拝と違いはある?

特に参拝の違いはないです。
手をかざすか、振るかの違いだけです。
 

手水舎も流水式で感染予防

ーーなぜさい銭箱上に設置した?

本殿のさい銭箱が横に長く広がっており、横に並んで、広がってお参りして頂くためにおさい銭箱の上に設置しました。


ーーいつから設置している?

6月5日からです。


ーーいつまで設置する予定?

当面の間を予定しています。


ーー設置して良かった?

スムーズにお参りするということで良かったと思いますし、鈴がないと寂しいという方がいたので、そういう方々のためにも設置して良かったなと思います。


ーー他に感染対策は行っている?

職員はマスク着用し、参拝者には境内でもマスク着用していただくよう掲示しています。授与所(お守りなどを売っている場所)には、透明なシートを設置するなどの対策をしています。
また、手水舎もひしゃくをなくし、流水式にしました。

新型コロナウイルス感染拡大前の八坂神社・手水舎
新型コロナウイルス感染拡大前の八坂神社・手水舎
提供:視聴者 感染予防対策を実施している八坂神社・手水舎
提供:視聴者 感染予防対策を実施している八坂神社・手水舎

ーー参拝に来る際に注意してほしいことある?

ぜひ境内ではマスク着用をお願いします。


ーー新型コロナウイルスの影響はあった? 

海外の方から徐々に少なくなっていきました。宣言解除後は少しずつ参拝者が増えてきています。

ネットには「少し恥ずかしい」という声もあったが、感染リスクを考えるとハイテクな参拝にも慣れなければいけない。その一方で、鈴緒を思いきり振って鈴を鳴らしてお願い事ができる日が早くきてほしい。
 

【関連記事】
今年は“6つの点”で表現!? 京都の「大文字」送り火が規模縮小…担当者が語る葛藤

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。