ノーベル賞ウィーク2日目の6日は、物理学賞の発表日です。「夢の新素材」発見から35年、今年こそ受賞なるか、87歳教授の今を取材しました。
学生たちの通学ラッシュを避け、自転車で坂道を駆けあがる87歳、名城大学の飯島澄男終身教授です。
飯島澄男終身教授:
「下からも来られるんだけど、わざわざ坂を上がってくるの。運動のために」
健康第一!そんな飯島さんが世界を驚かせたのは、今から35年前。1991年に発見した「カーボンナノチューブ」です。
炭素原子が筒状につながった物質で、軽くて丈夫なうえ電気を通しやすいなど優れた性質を持つことから、「夢の新素材」と呼ばれました。
それから35年、研究室を訪れると…。
飯島澄男終身教授:
「これ、私のコレクション」
引き出しから次々取り出して見せてくれたのは、「竹籠」?
飯島澄男終身教授:
「ザルも基本は六角形なんです。ここをよく見ると、五角形があるんですよ。これは全くね、カーボンナノチューブと同じなんですよ」
カーボンナノチューブに魅了されるあまり、同じ六角形と五角形などで構成される竹籠を集めるようになったという飯島さん。中には、オーダーメイドで職人に作ってもらったものも。
飯島澄男終身教授:
「竹籠の世界、マクロの世界が、原子の世界と同じだというのが面白くない?つながっているんですよ」
日本科学未来館で研究の面白さを伝えている出沢さんも、飯島さんの研究に太鼓判を押しています。
日本科学未来館・科学コミュニケーターの出沢良樹さん:
「カーボンナノチューブというものが、炭素のシートをぐるっと丸めるんですけど、どういうふうに組み上がっているか、形を作るかによって、物体の性質を左右するというところは、すごく面白くて注目している。ノーベル賞級の発見と呼ばれる研究は本当に色々ありまして、受賞待ち列じゃないですけれど、待っているような人たちがたくさんいるので」
いわば30年以上、“受賞待ち列”に並んでいる飯島さん。本人の受賞への思いは…。
飯島澄男終身教授:
「もう30年付き合っているからね」
Q.ドキドキしていますか?
飯島澄男終身教授:
「全然。だけどカーボンナノチューブって、だんだんいろんなところで使われ始めているからね」
近年、スマートフォンのバッテリーやX線装置など、その応用の裾野が広がっているカーボンナノチューブ。飯島終身教授の“35年越し”の受賞はなるでしょうか。
