新米のシーズンを迎えていますが、今年は農家にとってコメの価格が下がり、苦悩の秋となっています。魚沼産コシヒカリの産地でも農家からは「今後、コメ作りをやめざるを得ない」と悲痛な声が聞かれました。
新潟県小千谷市川井の農家・秋山和雄さんの田んぼでは、今シーズン最後の稲刈りが行われていました。
【秋山和雄さん】
「(実が)入っていない。カスカス」
約4ヘクタールの田んぼで『魚沼産コシヒカリ』を栽培している秋山さん。今年は稲が育つ8月上旬の雨に泣かされたと言います。
【秋山和雄さん】
「結果的には稲刈り時期に雨にたたられて大変苦労している」
収量自体は例年に比べ減りましたが、質は今のところ一等米と評価されています。しかし、秋山さんが危機感を募らせているのがコメの価格です。
農水省によりますと、全国のスーパーで売られるコメの平均価格は1月から下がり続け、9月13日までの1週間で5kg2971円で、3000円台を切りました。
“令和の米騒動”で記録的な高値となった去年から一転、消費者にとってはうれしいですが、農家にとっては危機的状況だといいます。
【秋山一雄さん】
「去年の値段が採算を取れる金額。それが今年だと完全に赤字」
JA全農にいがたが発表した県内の各JAに支払うコメの前払い金、いわゆる仮渡し金は去年、60kgあたり3万円だった一般コシヒカリが1万8500円に。
秋山さんも作る魚沼産コシヒカリは去年より1万1500円下がり、60kg2万1000円となりました。
JA魚沼ではそれに500円を上乗せし、2万1500円としていますが…
【秋山一雄さん】
「昔と違って肥料、農薬含めてこの間の10年くらいの円安の影響で輸入品が高くなった」
さらに資材費も高騰しているため、コメ農家にとっては苦しい現状となっています。
【秋山一雄さん】
「作ったら作っただけ赤字。やりがいもあるしと思っているけど、やれなくなる時代になってきている。やめたくて、やめているのではなくて、やめざるを得ない。結局、生活が成り立たない。借金を返せない」
農家が収穫の喜びを感じるはずの実りの秋ですが、コメの価格下落で手放しでは喜べない切実な思いを抱えています。
