新潟県三条市の複合施設『まちやま』で親しまれているフランス製の最高級ピアノ『エラール』が、今年11月、外交の舞台迎賓館赤坂離宮の『エラール』と2台ピアノのコンサートとして競演することが決まりました。迎賓館が三条市のエラールに熱い視線を送った背景には、昭和から続くエラールの物語がありました。
三条市の複合施設『まちやま』。
ここで市民の耳を潤しているのが、日本国内に4台しかないと言われているフランスの最高級ピアノ『エラール』です。
このエラールをめぐり、先週、発表されたのは。
【燕三条エラール推進委員会 永桶康子 理事長】
「皇室の方々に愛され、至高の美と謳われる120歳の迎賓館のピアノと教育への情熱によって購入された96歳の私たちのこのピアノが、絢爛豪華な迎賓館にて競演し合う、まさに夢のコンサートが実現いたします」
外交の舞台である迎賓館赤坂離宮。
その羽衣の間にあるエラールは、この空間にふさわしいよう特別に装飾され、皇室の方々にも愛されてきた特別な一台です。
今年11月から7回にわたる演奏会で競演に至った理由を迎賓館の鎌田次長はこう話します。
【内閣府迎賓館 鎌田修弘 次長】
「昭和初期に三条の皆様が『子どもたちに最高峰の教育を』と地域で寄付を募って購入した。歴史、それから、その遺志を継ぐ形で三条の地元の皆様が熱意を持って再生させたというストーリーに非常に、私ども大変魅力を感じる」
『まちやま』にあるエラールは1930年(昭和5年)製造。
三条東高校の前身、三条高等女学校の創立20周年を祝い、同窓会が学校に寄贈したものでした。
寄付金約4500万円で調達したのは、三条市で楽器店を営んでいた大井長一さん。
プロの演奏家を招いて音楽会が開かれるなど、エラールは教育の中心にありました。
しかし、晩年は…
【松村道子アナウンサー(2021年6月)】
「押せない場所もありますが、ところどころで音が響く」
多額の維持費がネックとなり、学校教育で活躍する機会は徐々に減少…校舎の片隅に眠っていたエラール。
それでも、フランスの職人が作り上げた最高級のエラールに“ものづくりのまち・燕三条”の原点を見た地元の有志が修復の道を模索しました。
資金集めに協力した地元企業は…
【マルト長谷川工作所 長谷川直 会長】
「不思議なことに、どこに行っても気持ち良く協力してもらった。手作りで作られたような素晴らしいピアノだから、(燕三条地域に)共通する思いがあったと思う」
三条東高校の同窓会も迎賓館での競演に驚きを隠せません。
【三条東高校同窓会慕光会 岡田竜一 会長】
「ただただ驚いた、事の重大さにまだ実感がないというか、そんな感じだと思う」
【内閣府迎賓館 鎌田修弘 次長】
「迎賓館の至高の美とものづくりのまちの燕三条が生んだ教育への情熱という2つのストーリーが交差することで、ご来館いただいた皆様に音楽の素晴らしさとともに日本の文化力や技術力の高さ、そして地域の絆というものを感じていただけることを期待している」
2台のエラールによるコンサートは、今年11月19日を皮切りに迎賓館赤坂離宮で開催されます。
