佐渡島の金山が世界文化遺産に登録され観光客の増加が見込まれる中、その活用に期待が高まっているのが佐渡空港だ。2026年5月には12年ぶりに旅客便が飛んだが、定期航路の開設に大きな障害となっているのが滑走路の短さ。佐渡市は滑走路の2000m化を目指しているが、地権者との交渉が難航している。
空の便に期待も…“滑走路の短さ”障害に「簡単ではない」
9月中旬に開かれた佐渡市議会。ここで渡辺竜五市長が報告したのが、佐渡空港の滑走路2000m化についての進捗状況だ。
「佐渡空港2000m化の進捗状況、地権者との交渉状況について公開することは一切考えていないが、35年かかっているということで非常に難しい現状があるということだけお伝えしておく」
佐渡島の金山が世界文化遺産に登録され増加する観光客。
その移動手段として期待される空の便だが、26年5月に神戸とのチャーター便が運行されたものの、定期航路の開設には至っていない。

その原因の一つが滑走路の短さだ。
25年にトキエアが実施した調査飛行でも宮崎邦夫取締役が「簡単ではないなというのはよく分かった」と述べたように、その離着陸の難しさを確認していた。
滑走路めぐり市議会紛糾
現在の890mの滑走路では利用できる機体も限られるなど制限があるため、佐渡市も2000m化を目指しているが、佐渡市議会では…
佐渡市議会 坂下善英 議長:
中川健二君に申し上げます。通告に基づいた質問を行ってもらいたい。
佐渡市 中川健二 市議:
私は2000m化の計画で立ち退きせざるを得ない4名の地権者にお会いさせていただいた。
佐渡市議会 坂下善英 議長:
中川健二君に申し上げます。その地権者の話についてはしない。できない状況になっていますので、そこは省いていただけませんか?通告にありませんので。それではここで暫時休廷。
中川市議が地権者との交渉状況については明かせないと説明する渡辺市長に対し、同じ質問を繰り返したため議会がストップするなど混乱。
中川市議の陳謝で議会は再開したが…
佐渡市 中川健二 市議:
地権者の皆さんは、きょうの説明を待っていると思います。
佐渡市 渡辺竜五 市長:
色んな絡まったものを整理しながら、きちっと言われたことに法的根拠を持って答える。これを繰り返してきている。
議会で進捗について明かせるものはなく、地権者との交渉の難しさを伺わせた。
交渉開始から35年…地権者「まずは精神的苦痛に対し謝罪を」
「地権者という言葉を出すだけで、腫れ物に触るみたいに止められた」と語る中川市議。
では地権者はどう思っているのか?NSTのインタビューに2人の地権者が応じた。
地権者の一人は「謝罪をまずしてもらいたい。過去、何十年にわたる精神的苦痛というものがいっぱいある。これに対して謝罪の一言もなかったと」と話し、用地の買い上げに対する条件変更などが繰り返され「誰を信じていいのか分からない」とも話した。
ただ、「とにかく行政と親密に話しをしたい」と用地交渉には応じる考えを示していた。
果たして滑走路2000m化に向けた交渉の行方は…。

「法的な根拠に沿って色んな話をさせていただいているし、色んなご意見を聞いて対応していきたいと思っているので我々も弁護士等を含めながら、しっかり相談しながら前に進めていくというふうに考えている」と話した渡辺市長。
交渉の開始から流れた35年という歳月の中で市長や担当者も替わり、その交渉は難しさを増している。

