季節の変わり目に「頭が痛い」「体がだるい」といった不調を感じる人は少なくない。こうした症状の背景に、本人が気づきにくい“隠れ脱水”が潜んでいる可能性がある。脳梗塞の前兆につながることもあり、注意が必要だ。
気づきにくい“隠れ脱水”
まちなかでも「急に寒くなってつらい」「痛みが出てきたり、頭が痛くなったり」といった声が聞かれる。新浜町脳神経外科内科クリニックの岩谷光貴院長は、体の水分が不足しているのに本人も周囲も気づかない状態を“隠れ脱水”と説明する。
脱水は夏のイメージが強いが、春や秋の気温差でも起こりやすく、1年を通して注意が必要だという。環境省のマニュアルでは、体重70キロの人が穏やかな環境で過ごした場合、1日に排泄される水分は約2.5リットル。このうち1.2リットルは飲み水で補うことが目安とされている。
水分不足は脳梗塞のリスクにも
体内の水分が不足すると血栓や動脈硬化を招き、脳の血管が詰まると脳梗塞など重大な病気につながる危険がある。高齢者は特にリスクが高まるが、年齢に関係なく起こり得る。
手足のしびれ、言葉が出にくい、視野が狭くなるといった症状は、脳の異常を知らせるサインだ。岩谷院長は「手がしびれたが数分で良くなった」というケースについて、「脳梗塞の前兆である『一過性脳虚血発作』の可能性がある」と指摘する。48時間以内に脳梗塞へ移行することもあるため、症状が一度改善しても受診が必要だという。
簡単セルフチェック
岩谷院長が紹介するセルフチェックは、誰でもすぐに試せるシンプルな方法だ。
手のひらを上に向けて両手を前に出し、目を閉じる。このとき、麻痺がある側の手が下がったり、内側に回ったりする場合は脳の異常を知らせるサインだという。少しでも違和感があれば医療機関の受診がすすめられる。
このほかにも、手足のしびれやめまいなど、普段と違う感覚があれば早めに相談したい。
季節の変わり目は体調を崩しやすい時期。水分補給を心がけながら、体のサインを見逃さないようにしたい。
