ウクライナ海軍は13日、「国防省情報総局(DIU)と連携して黒海で作戦を実施し、ロシアの無人水上艇(USV)を撃破した」と発表し、その映像も発表した。
ロシアの無人水上艇の種類が何であったのかは、ウクライナ海軍の発表にはなかったが、ウクライナ海軍が発表した上述の映像で見る限り、ロシア側の無人水上艇には、ミサイルや機関砲のような武装は見当たらないので、監視・偵察用か、自爆攻撃用であったのかもしれない。
では、ウクライナ海軍は、どんな無人水上艇でロシアの無人水上艇に挑んだのか。
ウクライナ海軍は、使用したのは、「サルガン3000」型と呼ばれる無人水上艇で、2026年7月14日には、「サルガン3000」の自爆攻撃でロシアFSB国境警備隊の22460型巡視艇「イズムルート」を撃沈したとウクライナ海軍は発表していた。
つまり、サルガン3000は、爆弾を搭載して、敵に体当たり、自爆攻撃を掛けていたのだが、13日に公表されたウクライナ海軍の映像をみると、銃口の内径が12.7mmの機関銃を無人の遠隔操作で発射する「プロテクター」リモート・ウエポン・ステーションが装備されているのが分かる。
12.7mm機関銃は、1933年に米陸軍で制式採用され、第二次世界大戦中の米陸軍のM4シャーマン戦車などに搭載。現在も、米陸軍のM1戦車や陸上自衛隊の10式戦車の砲塔上にみられる息の長い機関銃だ。有効射程は約2000mとも言われ、毎分450~580発、弾頭重量42g~52gの銃弾を発射する。
サルガン3000無人水上艇は、推定時速70~100km程度とされ、高速で突っ走り、揺れる艇体から、標的に狙いを定めるのは、容易ではないはず。
しかし、サルガン3000に搭載された「プロテクター」リモート・ウエポン・ステーションは、ロシアの無人水上艇の上に設置された、センサーや衛星通信装置等から構成されているとみられる上部構造物を捕捉している。
では、その結果はどうなったか。
ウクライナの無人水上艇からの銃弾を浴びせられたロシアの無人水上艇から上部構造物は見えなくなり、そして、沈んだ。
黒海で起きた戦争史上初の無人水上艇同士の戦いは、ウクライナの勝利に終わったということになりそうだが、無人水上艇同士の戦いは、それと並行して、洋上の航空戦、海中の戦い、それに上陸戦につながっていくのかもしれない。
そして、無人水上艇同士の戦いは、これからは、「黒海」以外、例えば、日本周辺の海域でも、おきる可能性を無視してはならないのかもしれない。

