4年前の豪雨で被災し、現在も一部区間で運休が続くJR米坂線。これまで復旧に向けた議論が進められてきたが、沿線自治体の一つ、新潟県関川村がJR東日本に対し、3つの条件を付けた上でバスへの転換を容認する考えを示した。これに対し、村民からは様々な声があがっている。
■関川村“バス転換”容認を表明
2022年8月に新潟県北部を襲った豪雨で被災したJR米坂線。一部の区間では現在も運休が続いている状況だ。
復旧に向けてJRからは、JR単独での運営、自治体が鉄道施設を保有する上下分離式、第3セクターによる運営、そしてバスへの転換の4つの案が示されていたが、なかなか結論が出ず、4年の歳月が流れていた。
こうした中、沿線自治体の一つ、関川村の加藤弘村長が村議会で一つの結論を示した。
「3つの条件を満たした上で利便性の高い魅力のあるバス路線に転換できればと思っているところ」(加藤村長)
■JR東日本に対し“3つの条件”
加藤村長が条件を提示したのは、鉄道事業者であるJR東日本に対して。
条件として、地域住民などの利便性を確保すること、村に実質的な財政負担を生じさせないこと、地域公共交通の維持にJRが主体的な役割を果たすことの3つを挙げている。
加藤村長は「私が一番気にしていたのは、バス転換になったときに、『バスになったらJRは知りませんよ』となったら困る」と主張した。
この点については花角知事も「引き続きJRには地域の足を守る、地域と共生していくというところでしっかりコミットしてもらいたい」釘を刺していた。
これに対し、JR東日本の喜勢陽一社長は「地域の足をしっかり守っていくという責務まで放棄するつもりはない」と強調。
これまでの協議の中でも、こうした考えに基づくJR側の発言が多かったと話す加藤村長は「私が意思表明をする前提として、JRが本気でそういうことを思ってくれていると納得した」とした。
■村民からは“鉄路での復旧”願う声も
ただ、バスへの転換については村民から様々な声が上がった。
「できるだけ早く解決することが必要だけど、4年経ったからすぐやらなきゃならないという選択はする必要ない」「(バスは)冬になると一般道を使うから、結局遅れが出たり、列車との連携がうまくいかない。やはり一番いいのは鉄路でつないで、あとは復旧したのちにどういうやり方にするか、みんなで意見を出して考えればいい話」「学校に通っている親世代、病院が少ない高齢者の声を上に吸い上げてもらいたい」
鉄路での復旧を願う村民の中には米坂線の線路を写真に収めにきた人も。
「すごくいい景色がある。これをもう誰にも教えられないのかなと。今までは鉄路での復旧を期待して来ていた。もしかしたらと思っていたけど…なんか複雑」
■村民へ「思いを丁寧に伝えていきたい」
豪雨からは4年あまり…関川村が態度を表明したことで議論が加速することが予想されるが、地域の住民の思いが置き去りにされないよう説明が尽くされる必要がある。
加藤村長は「今回こういう表明をして、住民の意見もこれから様々な意見があろうかと思うが、私としては私の思いを丁寧に伝えていきたい」と話した。
今回の関川村のバス転換容認の方針を受け、他の沿線自治体、県はどのような判断を下すのか…米坂線をめぐる今後の動向が注目される。
