近年、学校などの教育現場で進められている働き方改革。実際に現場ではどのような形で改革が進められているのか?OHK岡山放送の松島直輝アナウンサーが、夏休み中の中学校に勤務する教師に話を聞き、現状を取材した。
◆常に子供たちの目線に立った授業 真庭市・落合中学校の大原教諭について生徒は…
岡山県真庭市の落合中学校2年2組の教壇に立つ、大原奨平教諭(35)。常に子供たちの目線に立って授業を行うことを心がけている。
生徒に大原教諭の印象を尋ねると・・・
「熱血的に指導してくれて一人一人の個性を分かってくれて、要点や大事なところを指摘してくれて自分の直すべきところがわかるすごく良い先生」であったり、ハンドボール部顧問として「試合などでシュートが決まった時は「ナイスシュート」とすごく褒めてくれて、自分ももう少し頑張ろうと勇気を与えてくれる存在」だという。

◆教師なりたての頃は朝6時に家を出て、午後9時過ぎに帰宅「正直しんどかった」
大原さんが教師になったのは14年前。
当時は、家を出るのが午前6時、帰宅時間は、午後9時を過ぎるのが当たり前で「ワークライフバランスの意識がなかったが、正直しんどかった」と振り返る。

◆働き方改革による労働環境の変化「帰ってからも家族と過ごす時間が取れる」
教員の長時間労働を巡っては、2000年代半ばごろから社会問題となり教育現場での働き方改革の推進が叫ばれるようになった。
最近の大原さんは「午後6時前に学校を出られる日がほとんどなので、昔から比べると働きやすい」と、近年の働き方改革による労働環境の変化を感じている。
そして、「本当によく遊んでいる」とも。
小学1年と4年の2人の息子を持つ今は、「帰ってからも家族と過ごす時間が取れる日が多いので(以前と)だいぶ違う」とも感じ、一緒に川に入ったり、釣りや虫取りなどの子供たちの遊びに付き合うなどして、息子たちと向き合う時間も増えたという。

◆真庭市は地域認定クラブ等に「週末の部活動」を移行
大原さんに、労働環境で変わったところを聞くと「部活動が時間短縮されたのと「地域移行」」という答えが返ってきた。
部活動の地域移行は、教員の長時間労働の解消などを目的に国が進めている施策で、落合中学校のある真庭市は、岡山県の中でも部活動の地域移行を積極的に進めている自治体の一つだ。
落合中学校の浅野秀朋校長によると、「週末の部活動が地域認定クラブ等で教員の手から離れている。先生たちからも「体も楽になったし負担も少なくなった」という声を聞いている」という。

◆部活動に関わるのは平日のみ 夏休み中、早く帰れる日は年休使用も…
夏休み中のこの日。ハンドボール部の顧問を務めている大原さんは高校生との合同練習に参加していた。以前は、顧問として平日・休日問わず生徒たちと関わってきたが、現在は平日のみ。夏休み中も自由に使える時間が増えていて、部活動の地域移行によって負担は確実に減っているという。
部活動に関しては「練習時間は減っている。活動時間は2時間ほどで短縮傾向。1日練習もほとんどない」。通常業務においても「(夏休み中の)業務は午後4時45分までなので帰ることもあるし、早く帰れる日は年休を使い早く帰ることも多い」。
リフレッシュする時間がすごく取れる、と語ってくれた。

◆岡山県全域では地域によって進捗にばらつき 民間クラブや専門指導者の確保など課題も
教育現場でも進む働き方改革。これまで長時間労働が常態化していた労働環境も徐々に変わってきているようだ。
真庭市のように部活動の地域移行を積極的に進めている自治体があるが、岡山県全域でみると受け皿となる民間クラブや専門指導者の確保、移動手段や費用などの課題から地域によって進捗にばらつきがあるのも事実だ。
教員の負担が減る一方で、そのしわ寄せが別の所に移ってしまうだけでは抜本的な解決策にはならない。地域全体で持続可能な取り組みになるよう、考えていく必要があるのではないだろうか。
(岡山放送)

