■広範囲で大雨に
福島県では4つの自治体の約14万7000世帯、33万5000人あまりに【レベル4避難指示】が出され、最大で338人が避難所などに避難した。
ここからも分かる通り、特徴的なのはその広さ。観測された雨量からもその影響が見て取れる。
福島県内で記録された12時間降水量は、広野で150ミリを超え、南相馬や浪江、富岡でも約140ミリ、いわき市山田では9月の観測史上最大となる193ミリを記録した。
記録的な大雨となったいわき市では、9カ所で道路の冠水や斜面の崩落など土木被害が確認されている。このうちの1つが、犠牲者を出したいわき市鹿島町のアンダーパスだ。
■車2台が水没
いわき市鹿島町米田にあるアンダーパスが冠水し、車2台が水没した。水が引いてきて、午後4時頃には2台目の車が見えてきた。この車からは60代の女性が救助されたが、心肺停止の状態で病院に運ばれ、その後死亡が確認された。
午前11時前には完全に冠水していて、近くまでいくとこの車とは別の車の屋根らしきものがうっすらと見える程度だった。
いわき市と消防によると、この車に乗っていた40代の女性は自力で脱出し無事だったという。午後4時30分頃には、レッカー車によって車はこの場所から運び出されていった。
■同時の状況は?
この車を運転していた女性のおじは「朝の通勤途中で、いつものようなスピードでどんどん入ってしまった。バックしようとしたらしいが、タイヤが空回りしてバックできなかった。多分車が浮いていたのだと思う」と話した。
また「ドア開けて出ようとしても、なかなか開けられなくて、二回目にもう危ないと思ったので思いっきり力を入れたらドアが開いた。初めての経験だった、死ぬのではないかと思ったと言っていた」と語った。
■大雨のピークの時に…
消防に「車が水没している」と通行人から通報があったのは午前8時前のこと。いわき市はまさにその時間(午前6時~8時頃にかけて)大雨のピークを迎えていた。
小名浜ではこの時間、1時間に30ミリ以上の激しい雨が降り、午前にはいわき市に【レベル4】に相当する【大雨危険警報】も出されていた。
■いわき市 対策検討へ
いわき市の内田市長は「市内のアンダーパスを直ちに再点検し危険箇所については事前の通行規制など対策を検討していく」などとコメントしている。
いわき市によると、アンダーパスの排水ポンプは正常に運転していたという。今回アンダーパスが冠水した理由については「近くを流れる排水先である矢田川の水位が上昇し、排水が適正に行われなかった」などとしている。
■福島県内には121カ所
福島県によると、県内には冠水の危険があるアンダーパスやガード下が121カ所あり、郡山市が最も多く、いわき市、伊達市、福島市と続く。今回浸水したアンダーパスも、この危険箇所に含まれていた。
午前10時すぎにはほぼ完全に水没していて、すでに通行止めの措置が取られていた。誰が見ても通行は不可能と分かる状況だった。
車が水没していると通報があったのは午前7時47分。通報の数分後に撮影された写真では、駐車場から滝のように水が流れ込んでいる様子が確認できる。よく見ると、水没した車両の天井部分らしきものが水面にわずかに見え、歩道の手すりの下まで水が達していた。
市によると、この歩道の高さは2メートルあり、当時すでに人の背丈を超える水深になっていたことが分かる。
撮影した人によると、このアンダーパスは地元でも「深いことで知られる冠水箇所」だという。大雨の際には、こうした場所に近づかないことが重要となる。
