宮城の観光地と言えば、『松島』と答える方も多いかと思います。そんな松島で今、地元の人たちが、有名なスポットに頼らない『新たな観光の形』を生み出そうとしています。
高橋咲良アナウンサー
「こちらでは東北の観光事業者が集まって商談会が行われています。アジアやヨーロッパなどのランドオペレーターに直接魅力をPRします」
商談会は宿泊税を活用して、仙台市が初めて企画したもので、東北・宮城に外国人観光客の誘致を進めることが目的です。
会場に初めて商談に臨む男性がいました。樫崎希之さんは、県内有数の観光地・松島で30年以上、割烹料理店を営んでいます。
松島で割烹料理店経営 樫崎希之さん
「なんかちょっと緊張する。私たちが進めていこうとしているものをお話してうまく食いついてくれれば」
樫崎さんがいま、松島で作ろうとしているのが『新たな観光の形』です。
高橋咲良アナウンサー
「松島の遊覧船乗り場です。きょうは平日、そして雨が降るあいにくの天気なのですが、こちらには多くの人が訪れて賑わっています」
イギリスから
(なぜ松島に?)
「ここは美しいと聞いていて、島々の景色を見たかった」
(松島は好きですか?)
「はい、とても」
韓国から
「景色が良くて良い場所じゃないかと思います」
松島町を訪れた観光客の数は、新型コロナの影響で一時、落ち込んだものの、おととしは、およそ313万人と、コロナ禍前の水準を超え、順調に回復しています。
一方で…
北海道から
(宿泊はどちらに?)
「仙台駅前ですね」
台湾から
(宿泊は?)
「仙台」
韓国から
「仙台市内に泊っていて日帰りです」
松島町で宿泊した観光客の数は、おととしで46万人ほどと、コロナ禍前の水準には戻っていません。宿泊する場所ではなく、「立ち寄り先」という現状があります。
『新たな松島の魅力をつくり、観光客に長く滞在してもらいたい…』樫崎さんたちが結成したのが、「松島オプショナルツアー検討委員会」です。
高橋咲良アナウンサー
「普段はどんなお仕事をされている?」
宮城中央森林組合 渥美薫さん
「森林組合の職員」
紫神社 高城克彦宮司
「この紫神社の宮司」
委員会はこのほか、漁業や飲食業など、松島で様々な職業に就く14人で構成されていて、樫崎さんは委員長を務めています。
松島オプショナルツアー検討委員会 樫崎希之委員長
「松島っていうとどうしても松島海岸のあの観光地だけが脚光を浴びるが、町内全部を使った何かできることはないかと」
委員会が計画しているのは、新たな『体験ツアー』です。舞台は、松島海岸から車で10分ほどの場所にある、松島町の「紫神社」。ターゲットは外国人観光客です。
紫神社高城克彦宮司
「これを磨いて担ぎ棒をつけて、神輿を担ぐ装束があるので、外国人の方に着ていただいて実際に担ぐ」
これだけではありません。
樫崎希之さん
「あんまりゴシゴシするとコメ割れたりとかするので優しく優しく」
社務所では、コメの食べ比べを行います。釜や食器、付け合わせのおかずは、樫崎さんが用意しました。
食べ比べるのは、町内でつくられたコメです。松島で30年以上農業を営む赤間さんが丹精込めてつくりました。
高橋咲良アナウンサー
「ツアーにご自身のコメを食べるという企画が入っていることはどう思う?」
赤間善弘さん
「本当にうれしいですよね。コメも頑張ってつくっているので、その中に仲間入りさせてもらえれば」
渥美薫さん
「松島の米もうまいんだよってPRしないとね」
ツアーを通して最終的に目指すのは、『地域産業の活性化』です。
樫崎希之さん
「農業にしても漁業にしても、それをひとつの商売としてできる、松島の主要な団体が強くなれるようなものになれば」
そして、仙台市青葉区のホテルで開かれた商談会で、樫崎さんは、体験ツアーをPRしました。
樫崎希之さん
「炊きあがって食べてどっちがササニシキでどっちがひとめぼれか体験してもらう」
この日、8社と商談を行いました。
イタリアからの観光客向け旅行会社 クローマダニエーレさん
「日本の文化、日常生活にものすごく興味を持っている方が多いので、まさしくこのようなコンテンツがうってつけかなと思っている」
樫崎希之さん
「すごく反応が良かった。海外から来た人と一緒に何かをすることも大事なんじゃないかと。松島だからこそできるものを見せたいなと思います」
新しい観光の形がどう松島を発展させていくのか…今後に注目です。
※高城克彦さんの高ははしごだか
