人気キャラクター「ちいかわ」と大手回転寿司チェーン「くら寿司」のコラボグッズをめぐり、従業員の「横領」が発覚したとして、くら寿司がコラボキャンペーンを突如中止する事態となりました。
先月21日から、くら寿司は人気キャラクター「ちいかわ」とのコラボキャンペーンを開始し、「ビッくらポン!」の景品として、ちいかわのグッズが手に入るとあって、大きな話題を呼んでいました。
しかしキャンペーン開始直後から、SNS上では「いくら食べても景品が出てこない」「不正があるのではないか」と疑いを示す投稿が相次ぎ、くら寿司の社内調査の結果、従業員による景品の横領が発覚したとして、キャンペーンの中止を発表しました。
元テレビ朝日アナウンサーで法務部部長も務めた西脇亨輔弁護士は、グッズをめあてに寿司を食べた人たちへの返金について、「景品はお寿司のおまけ。返金は法律上は難しい」と解説しました。
■「厳密な意味で法律上の横領なのかポイント」
西脇亨輔弁護士は、くら寿司の発表にある「横領」という言葉が「厳密な意味で法律上の横領なのかどうかがポイント」だと指摘しました。
また、焦点となるのは、不正を働いた従業員がどういう権限・地位を持っていたかという点だと話します。
【西脇亨輔弁護士】「通常の従業員のアルバイト店員さんなど、指示を受けて作業する人の場合にはこのグッズを処分管理する管理責任者とまでは言えない。この場合、会社の物を盗んだ窃盗罪になります。
一方で、管理を任されていた、例えば管理職の人や支店長とか、そういった立場にあると、それはグッズについて管理する権限がある責任者になるので、そういう人が私腹を肥やしていたという話になると、業務上横領罪にあたる」
■刑事責任に留まらない可能性も
窃盗罪は10年以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金刑で、業務上横領罪は10年以下の拘禁刑です。
西脇弁護士は「両方とも10年以下の拘禁刑ではありますが、罪質が変わってくる」と説明し、「今回の発表の”横領”という言葉が何を意味しているのかは、まだ分からない点です。犯人像にも繋がってくる」と述べました。
さらに、刑事責任に留まらず、民事上の損害賠償請求に発展する可能性もあると指摘します。
【西脇亨輔弁護士】「お店の側にも甚大な損害が出ています。あと、ちいかわのプロモーションにとってもマイナスになっている。損害賠償という可能性もある。刑事的にも民事的にも責任が問われる可能性がどちらも十分ある」
■消費者がくら寿司に返金を求められる?
次に、ちいかわのフィギュアのために多額を費やした消費者がくら寿司に返金を求められるかという点です。
今回の問題を巡り、「1万8000円分食べてもフィギュアゼロ」「2万1000円たらふく食べてフィギュア出ず」というSNS投稿もありました。
これに対し、西脇弁護士は「返金を求めたい気持ちは分かりますが、法律上は難しいかもしれない」とし、その理由として「ビッくらポン!」はあくまでもお寿司の“おまけ”であるからだと述べました。
【西脇亨輔弁護士】「契約上はまずお寿司を注文された通りに出せば、一応契約は果たされた形になる。どの商品がどれぐらいの確率で当たるかまでは細かく取り決めていない。
フィギュアが出ないからといって契約違反とまでは言えないかもしれない。ビジネスって信頼関係ですよね。だとすると、何かしらの対応は必要なんじゃないか」
くら寿司側は今回の問題のお詫びとして、2日間にわたって全品10%割引を実施していますが、西脇弁護士は、この対応では不十分な面があると指摘します。
【西脇亨輔弁護士】「実際にちいかわグッズが欲しくてたくさんお金を使ったような方向けにどういったケアをしていくのかも重要なポイントだと思います」
(関西テレビ「newsランナー」 2026年9月7日放送)
