今回の避難では、すっかりその存在を忘れていましたが、後から「もし母子健康手帳がなくなったら困るかも」と気づきました。
災害でなくしてしまっても、母子健康手帳そのものは再発行してもらえるかもしれませんが、妊娠中の記録や出産時の情報、予防接種の履歴など、そこに書かれたわが子の成長の記録は、もう二度と戻ってきません。
防災士としては「命を守るための備え」が最優先ですが、母としては子供達の「母子健康手帳」に特別な思い入れがあるため、普段の母子健康手帳の収納場所を、リビングの棚から防災リュックに変えるかどうかを検討中です。そして、防災リュックに母子健康手帳を追加しても安全に避難ができる筋力をつけるために、とりあえず夫と私の筋トレメニューを少し増やしました。
「災害への備え」は分散しよう
西日本豪雨で被災してから、「災害はいつ、どこで起こるか分からない」という言葉の意味を、身をもって知りました。家族を守るために、どんなふうに備えればいいのか試行錯誤した結果、わが家では海上保安庁で教わった救難活動の基本「プランを複数用意する」という考え方を家庭の防災にも取り入れることにしました。
玄関には「防災リュック」、車のトランクには「防災セット」、職場には「防災ボトル」、そしていつも持ち歩く鞄には「防災ポーチ」。どこにいても、家族や自分を守るための備えが、何かしらあるようにしています。ひとつの場所にすべてをまとめてしまうと、いざという時に取り出せないこともありますが、備えを分散することで「どこにいても備えがある」という安心につながっています。
防災リュックに限らずですが、防災用品は「せっかく用意したのに使えなかった」を防ぐために、たまに使用期限やモノの状態のチェックが必要です。わが家では、年2回ほどは中身を見直して、季節によって不要になったものを入れ替えています。
川崎みさ(かわさき・みさ)
1985年生まれ、広島県在住。元海上保安官で2児のママ。船舶料理士、整理収納アドバイザー1級、防災士、ひろしま防災Jプログラムトレーナー。

