ネパールで甚大な被害が出ている土石流災害をめぐり、政府機関が2025年、同じ地域で起きた洪水を受けて対策をまとめていたものの、十分に実施されていなかったことが分かりました。
ネパールでは2025年7月にも、中国との国境を流れる川で大規模な洪水が発生し、国境の施設や道路、橋などが被災しました。
これを受け、政府機関がまとめた報告書では、中国側と連携した早期警戒システムの構築や、氷河湖の監視、川沿いの危険な集落を安全な場所へ移転することなどを提言していました。
しかし、地元メディアによりますと、こうした提言は約1年間十分に実施されないままで、当時の政府関係者は、「去年の洪水は強い警告だったが、深刻に受け止められなかった」と指摘しています。
今回の災害では、水位を監視する観測所そのものが流され、警報システムが十分に機能しなかったことも明らかになっています。
さらに、国際的な研究チームが災害前の衛星画像を分析したところ、発生2日前には融解水が茶色く変色したほか、周辺の岩盤に亀裂が伸びるなど、崩落につながった可能性のある「異変」が確認されていたことも分かりました。
一方、シャー首相は2日の国会で、今回の災害について「予測の範囲を超えていた」と説明しています。
