熊本地震で失われた旅行需要を取り戻すため、鹿児島県が九州の他県に先がけて動き出す。最大6割引、上限2万円という割引率で、県独自の観光支援を打ち出した。
2日、鹿児島県は総額140億9100万円にのぼる補正予算案を発表した。このなかには、県独自の旅行割として4億5200万円が計上されており、シルバーウィーク前の9月中旬からの開始を目指している。
「シルバーウィークまでに」 県財政課が語る狙い
補正予算案の発表にあたり、県財政課の徳重裕二課長はその目的をこう説明した。
「今回の地震で失われた旅行需要を迅速に取り戻すためには、多数の需要を取り込みやすいシルバーウイークまでに事業を開始することが重要」

熊本地震発生後、県内では主要な交通手段が寸断され、8月7日時点で11万泊分以上の宿泊がキャンセルとなった。こうした深刻な打撃を踏まえ、鹿児島県は早急な需要回復に向けて動くことを決断した。
割引率は最大6割、上限2万円
県独自の旅行割は、1回の旅行あたりの割引率が最大6割、上限は2万円。これは、早ければ10月から始まる国の支援策「九州ふっこう応援割」に合わせた内容となっている。
この県独自の旅行割は、「九州ふっこう応援割」が始まるまでの間の観光需要を取り込むことを目的として実施される。熊本地震発生後、観光需要喚起の支援策を県単位で行うのは現在のところ鹿児島だけであり、九州でもいち早い取り組みとなる。

制度の詳細については、県議会で可決され次第決まる見通しだ。補正予算案は、9月11日に開会する県議会9月議会で提案される予定となっている。
外国人観光客の誘致も再開へ
国内の観光需要回復にとどまらず、県はインバウンド対策にも乗り出す。
九州新幹線の一部区間の運休に伴い開始を見合わせていた、外国人観光客の片道分の新幹線代を助成する「インバウンド誘客促進特別事業」についても、9月中旬ごろから開始することを2日明らかにした。
県独自の旅行割とこのインバウンド事業を両輪に、国内外からの観光需要の回復を目指す考えだ。
赤潮被害への対応も予算に盛り込む
補正予算案にはほかにも、2026年6月に八代海で発生した赤潮被害への対処として「赤潮被害緊急支援事業」に1620万円が計上されている。死んだ魚の埋設処理などの経費の一部を支援するもので、漁業への影響が続く地域へのサポートも手当てされた。

シルバーウィークを一つの起点に、鹿児島県は地震と赤潮という二重の打撃からの回復に向けて、官民一体で動き出す。
【動画で見る▶県補正予算案が総額140億円 県独自の観光支援を含む【鹿児島】】

