記録的な大雨により、大きな被害を受けた福井県内。街一帯が冠水した坂井市丸岡町をはじめ、大雨による企業への被害も相次いでいます。
県によりますと、今回の大雨で、県内では製造業47社、卸売小売業19社、宿泊飲食業10社など計112社で浸水や設備の故障などが報告されています。
◆坂井市の西洋菓子倶楽部は工場が浸水
ケーキや焼き菓子などの製造販売を行っている西洋菓子倶楽部の工場も、浸水の影響で製造が出来ない状態が続いています。
「この機械なんか、動くかどうかも、ちょっとまだ分からないような状況ですね」
こう話すのは、坂井市丸岡町にある西洋菓子倶楽部の高倉竜馬社長です。
30日の大雨で、工場の周囲は広く冠水。工場内部も30センチほどの高さまで浸水しました。
水が引いた31日朝から、工場で働く従業員が総出で洗浄作業を行っています。1日はボランティアなども加わり、約40人が工場の泥や汚れを取り除いていました
「菌って見えないので、そこがやっぱり怖いですね。めちゃくちゃきれいにしてるつもりなんですけれど…どこに菌が潜んでるのかも、ちょっと分からないですし」と従業員。
ケーキ作りに欠かせない冷蔵・冷凍機能を備えた設備や機械なども全て浸水。仮に洗浄作業が終わっても、機械が稼働するかは現時点では分からず、被害額についても把握できていません。
高倉社長は「雨が降っても、浸水してしまうというのは全く想定してなかったですね」と話します。
こちらの工場では県内5店舗すべての菓子の製造を担っていて、金額にして1日あたり数百万円相当になるといいます。
工場が停止したいま、他の店舗に製造の場を移し販売を続けていますが―
「これから先もストップが続いたら、どうしてもすべての店舗を休業しないといけない状況にはなってくる。早く製造を再開しないと、安定供給は難しい」(高倉社長)
今週中には本社の方だけでも稼働できる状況を目指し「被害がなかった店舗でしっかりとお客様に菓子を提供できるような状況にはしていきたい」と話します。
今週再び見込まれている雨を前に、工場の再稼働を目指して急ピッチで復旧作業を進めています。
◆のり面が崩れ“安全”のため営業休止
永平寺町で豆腐料理を提供する「幸家」では店への浸水は免れましたが、駐車場付近ののり面が崩れ、営業休止を余儀なくされています。
幸伸食品・幸家商品開発部の中三瀬誠さん:
「まさかですね、本当に、きのう朝の点検で初めてのり面が崩れていることに気づいた。お客さんの安全を第一にして、今のところしばらく営業再開は未定」
既に入っている予約についても、店から断りの連絡を入れています。
「予約のキャンセル分だけでも100万円近くの損失。当日客のために仕込んだ食材費や、棚に並んでいた商品のロスなどを考えると、さらに大きく、損失は数百万単位になると思う」といいます。
営業再開の見通しは立っていませんが、客の安全を第一に慎重に判断する方針です。
