接戦を制し、日本が韓国にストレート勝利を飾り、決勝トーナメント進出を決めた。
ロサンゼルス五輪出場がかかるアジア選手権。23日の韓国戦で勝利を決める最後の1点を決めたのは、チーム最多の19得点を叩き出したオポジットの和田由紀子。

第1セットから30点を超える激闘の中、ライトからのスパイクやサービスエースに加え、要所のブロックポイントなど得点源として存在感を発揮したが、和田が口にしたのは手応えよりも課題だ。
「要所での最後の1点、長いラリーの後の1点、決めきれていないところがたくさんあったので次の試合に向けて詰めていきたいです」
33対31 激闘を制した第1セット
これまでも数え切れないほどの激闘の歴史があり、“宿命のライバル”と言われる韓国ではあるが、昨年の招待試合を除けば2021年の東京五輪以後、4度対戦したがすべて日本がストレート勝ちを収めている。世界ランキングも6位の日本に対して韓国は26位(試合開始前時点)。
決勝トーナメント進出だけでなく、その先を見据えれば少しでも上の順位で決勝トーナメントへ進むためには絶対負けられない相手だ。

加えて、優勝チームのみが獲得するロサンゼルス五輪出場権をかけ、最大のライバルである開催国の中国が22日のイラク戦でストレート勝ちを収めただけでなく、各セットの失点を4点、6点、6点に抑え、大差で勝利しているだけに、日本が予選グループを全体1位で通過するためにも、もはや韓国は宿敵ではなく、できるだけ点差を広げて勝利したい相手だった。
だが第1セットの序盤から韓国にリードされる苦しい展開を招いた。ここで流れを変えたのが、ミドルブロッカーの島村春世だった。

3対5、韓国のサービスエースで2点をリードされた状況で、セッター関菜々巳の前から鮮やかに速攻を決める。中盤にはライト側へ回り込んだ速攻も決め、リードされても追い上げる。
ネーションズリーグでは石川真佑、佐藤淑乃、和田といったサイド陣の攻撃回数や得点が多かったため、サイドにマークが厚くなる中でミドルの島村が決めれば、それだけ相手のブロックも割れる。

ただ点を挙げるだけでなく、島村の攻撃が突破口となり、要所での佐藤、和田の得点にもつながる働きを見せた。
韓国で得た経験を発揮した島村
島村は昨シーズン、韓国リーグでプレーした。
日本のSVリーグは年々外国籍選手がオンコートでプレーする人数が増え、外国籍選手がコートでも多数を占めるのに対し、韓国はかつての日本と同様にオンコートの外国籍選手は1枠で、アジア枠が1。
アジア枠の選手としてプレーする島村は「今までとは比べられないぐらいの打数を打った」と言うように、攻撃の中心としてプレーした。

前衛、後衛でプレーするアウトサイドヒッターやオポジットならまだしも、ミドルブロッカーの島村が攻撃に入るのは前衛のみ。チャンスボールからの攻撃だけでなく、相手の攻撃に崩された苦しい状況からでもトスが上がってくるのは当たり前。
その経験が、日本代表でもプラスに活かされている、と島村が明かす。
「日本のセッターのように必ず同じ場所、同じタイミングでトスが来るわけではないので、どんなトスに対しても自分が打って決められる技術をつけないといけない。打ち方や決め方の引き出しは確実に増えました」
韓国戦で見せた技ありのスパイクは、まさに経験の賜物だった。
次戦ベトナム勝利のカギはエース封じ
2戦2勝、連勝で決勝トーナメント進出を果たしたとはいえ、苦しみながらのストレート勝ちを満足と捉える選手はいない。
「正直複雑」と吐露した島村だけでなく、関も「勝ったことはよかったけれど、反省するところが多い試合だった」と述べたように、チャンスボールの返球やコンビの精度、ブロックとディフェンスの関係性など、決勝トーナメントで同様のプレーが出れば、敗戦につながりかねないプレーが何度か見られたのも事実であり、選手たちも理解しているからこそ勝った喜びよりも課題が前に出る。

25日には予選ラウンド最終戦でベトナムと対戦する。
世界ランキングは32位(24日時点)で、これまで対戦した香港、韓国と同様、その数字だけを見れば勝って当然の相手ではある。
だが、SVリーグの群馬グリーンウィングスでプレーする主将でエースのジャン・ティ・タン・トゥイーは、前衛、後衛を問わず高い攻撃力を持つ選手である。

群馬だけでなくデンソーエアリービーズ、PFUブルーキャッツかほくなど日本でのプレー経験も長く、日本選手の特徴を熟知している厄介な相手でもある。
すでに決勝トーナメント進出は決まったが、1つでも上の順位で終えるためには、やはり負けられない相手であることに変わりはない。
今季は群馬への移籍が発表された島村が日本の壁となり、日本を勝利に導いていく。

