高額な海外視察費にパーティ券問題、そして“金善授受”疑惑など山積している問題が次々に噴出している福岡県議会。県政の混乱に対する強い憤りは県内の自治体でも止むことはない。不透明な県政と歪な県議会への怒りの影で、苦悩する自治体の実態を取材した。

蔵内議長の“お膝元”で次々に『意見書』

県政の“ドン”とも呼ばれる蔵内勇夫・県議会議長(72)の“お膝元”福岡県の筑後地域。ここでも地方自治法上の『意見書』というかたちで、高額な海外視察費の検証などを求める動きが相次いでいる。

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「県議会が堕落している。解散して県民からまともな人を選んでもらう以外ない」(筑後市議会議長 弥吉治一郎・議長)

「これだけ福岡県は恥をさらす問題になっているのだから、議長は自ら襟を正して欲しい。ああいう県議会が上にいたら恥ですよ」(みやま市議会議長 牛嶋利三・議長)

県政の混乱に対する強い憤りが広がるなか、表題に「福岡県と福岡県議会との歪な関係改善を求める」という強い文言で意見書を申し立てた自治体が、八女市議会だ。

『歪(いびつ)な関係』という文言巡り議論紛糾

8月10日、八女市議会で開かれた臨時議会。焦点となったのは、福岡県の服部誠太郎・知事宛てに提出する「高額な海外活動費の全容解明」や「県と県議会との歪な関係改善」を求める意見書案だ。

周辺の筑後市議会やみやま市議会などでは、内容に一部、違いはあれども県に対する意見書について全会一致での可決が相次いだが、八女市議会では事前に開かれた全員協議会の段階から、この『歪(いびつ)な関係』という文言を巡って議論が紛糾していた。

反対したある市議は「『歪(いびつ)な関係』という言い回しは市議会として使うべき言葉なのか」と疑問を呈した。

これに対して提案者側の市議は「服部知事、自らが使った言葉だ。これだけの大問題、あえてこの言葉を使った」と反論する。

インフラ整備など国や県の支援に大きく依存

慎重な姿勢を見せる背景には、この地域が抱える構造的な事情があった。

県内でも屈指の広さを持ち、山間部を多く抱える八女市。高齢化により人口は減少傾向が続いていて、インフラ整備など国や県の支援に大きく依存している。

県政への批判は、市内でも高まる一方で、隣接する筑後市選出で強い影響力を持つ蔵内議長の存在も拭い去ることができないのが実情だ。

旧八女郡ということもあり「良好な関係を損なえば、今後の事業や予算に影響が出てしまうのでは」と懸念する声も聞かれる。

臨時議会では『歪(いびつ)な関係』という文言を残したまま採決が行われ、賛成多数で可決した。他の自治体と異なり、全会一致とはならなかった。

『歪(いびつ)な関係の是正』を突きつけた八女市議会

反対票を投じた議員の1人が取材に応じた。「殊更に八女市議会の意見書として“歪(いびつ)”という言葉を使うべきではない。やっぱり県や県議を通じていろんな事業を八女市もしているだろうし、これだけ広大な土地を持って、特に中央と東部でも事情は全然違う。本当にお願いしないといけないこともあるから、そこは良好な関係を今後も持っていけたら。『意見書を出すな』とは、ひと言も言っていない。出すべきだろう。ただ言葉ですね、もう少し考えたがいいんじゃないかと」(八女市議会 牛島孝之・市議)

一方、提案者である八女市議会の橋本正敏・議長に、敢えて厳しい文言を残した真意について聞くと「歪(いびつ)という意味は正しくないという意味。問題の根底には、そういう正常ではない関係があったのではないか。私たちのような地方の小さい市町村が限られた予算のなかで、一生懸命、苦心して予算を編成していくというなかで、説明のつかないような編成をされるのは如何なものかと釘を刺させてもらいたいという願いで、この意見書を作成させて頂いた」と話す。

一部の反対を残したまま『歪(いびつ)な関係の是正』を突きつけた八女市議会。その言葉のはざまで、県議会の問題は市町村にまで波及し続けている。

(テレビ西日本)

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