金沢市消防局がSNSで発信した「救急隊の靴を揃えないでほしい」という呼びかけが注目を集めている。善意で行った行動が現場では支障となる場合があり、「よかれと思った行動が“裏目”に出るケース」を見ていく。

運び出すフォーメーションを想定

石川県の金沢市消防局がSNSに投稿した動画が話題になっている。
救急隊員が患者を家から搬送する場面を再現したものだ。

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金沢市消防局公式SNSより:
救急隊からのお願い…脱いだ靴はそのままに!

動画では、家の人が“よかれと思って”隊員たちの靴を揃えていたが、それが原因で「フラフラして危険になり、症状が悪化することも」と注意を呼び掛けている。

こうした「よかれと思った行動が“裏目”に出るケース」について見ていく。

安宅晃樹キャスター:
救急隊員の皆さんが訴えていた「脱いだ靴はそのままに」。その理由はわかりますか。

榎並大二郎キャスター:
皆さん制服を着ているので、靴が一緒だから、誰が誰だかわからなくなってしまう。

安宅キャスター:
正解はこちらです。隊員は役割ごとに靴の向きを決めていると。隊員たちはこう家から運び出すフォーメーションを想定した上で、それぞれが靴を脱いでいますので、そのままの状態であれば、自分の靴を探す手間が省けて、スムーズに履いて外へ出られるということなんですね。

榎並キャスター:
フォーメーションがちゃんと考えられているんですね。

金沢市消防局によると、10件のうち1件から2件で、靴を揃えてくれるお宅があるという。「よかれと思っての行動」が、プロから見ると裏目に出てしまうこともあるのだ。

皿を重ねると「裏に汚れがつく」との声

安宅キャスター:
他にも、例えば旅館でチェックアウトする時に布団をたたむという行為ですが、旅館側からすると、忘れ物チェックですとか、あとはシーツを剥がす時に、結局また広げなければならないといった意見もあると。
そして、これもよく耳にしますが、飲食店でお皿を片付けやすいように重ねる行為も、店員が運びづらかったり、食器についた汚れが皿の裏側にもついてしまうといった声もあります。

石渡花菜キャスター:
いや~、やってしまいますね。私も飲食店で働いていた時に、グラスやお皿を集めてくれるだけでもありがたいなと思った経験があるので、てっきり、やった方がいいかなと思っていたんですけど、あまり良くないんですね…。

他にも街で聞いてみると、「よかれと思った行動が裏目に」というケースがあるようだ。

娘(10代):
いつも部屋の掃除はお母さんがやってくれるんですけど、たまにお父さんがお休みでやってくれるときに、お父さんの片付け方はすっごい全部きれいにしちゃって、私のものがいつもどこにあるかわからなくなっちゃうので、ありがたいけど困ります。

中でも多く聞かれたのが“エレベーターあるある”だ。

30代:
次の人が入ってくると思って、開けるボタンを押してたんですけど、一向に入ってこなかったので。なんか、「あれ?入る?入らない?入る?入らない?」みたいな時が何回かありました。

50代:
孫と待っていると、エレベーターを開けて待っていてくれる。「どうぞ」とやってくれるんですけど、よかれと思ってやってくれるんだけど、「そこって乗れないよ」って。「ちょっと混雑しているし」みたいな。

横断歩道で譲り合い…違反となる場合も

そして、「よかれと思って」が困ったことを引き起こしてしまうケースもあるという。

40代:
車で走っている時に、横断歩道をおじいさんが渡ろうとしてたんです。歩行者の方が優先なので、「どうぞどうぞ!」と言ったんですけど、全然渡ってくれなくて。ずっとこれを5分くらい繰り返して、最終的に渡ってくれず、もう「先に行って」と言われて、それで渡ったという苦い経験がありました。

20代 カフェ勤務:
カフェで働いているんですけど、ケーキの皿を食べ終わったときに重ねてくださるんですけど、クリームがついて洗うの大変だなっていう時があります。

安宅キャスター:
様々な声がありました。ちなみに私、学生時代、6年間居酒屋でバイトしていたんですけど、お皿は重ねてもらった方が助かるなということで、今もやっています。あとはジョッキの持ち手。つかめるように並べて、置いていますが、お店によって事情は様々です。
そして、横断歩道の譲り合いの話ですよね。車を運転している時に、横断歩道で歩行者がよかれと思って「どうぞどうぞ」と車に道を譲る場合。

警察庁によると、状況によるが、一般的には歩行者が道を譲っていて、道路を横断しようという意思がないことが明らかな場合には、違反は成立しないという。

安宅キャスター:
ただ、フジテレビの上法解説委員によりますと、車が一時停止もせずに走っていってしまうと、現場にいる警察官は歩行者が譲っている様子を確認できず、違反となる場合もあるということです。

相手がどう思っているか想像力を

様々な「よかれと思って」というケースを見てきたが、冒頭に紹介した救急隊員の靴の話や横断歩道の話は、人の命や法律に関わることなので、しっかり覚えておく必要がある。

安宅キャスター:
一方でレストランの話や旅館の話は「心遣い」というところで、なかなか難しい話。マナーの文化を研究する江戸川大学の斗鬼正一名誉教授に聞きました。
「“よかれと思い”やっていることも、相手がどう思っているか想像力を働かせることも大事」ということでした。
ちなみに斗鬼先生も、実はお皿は重ねる派だということです。
「よかれと思って」このネタにしたのですが、非常に難しいということで、きょうの知っトクでした。
(「イット!」8月21日放送より)