ショッピングで服などを選ぶとき、注意したいのがサイズ。目安の身長や胸囲などは商品ラベルに書いてあるが、自分のサイズをしっかり理解している人は少ないかもしれない。

もし試着しなかった場合、購入後にキツくて入らなかったり、逆にブカブカだったりすると、着られないことと金銭的な損失とで二重のショックを受けてしまうことも…。そんな悩みを解消してくれそうなアプリが登場し、さらに大手百貨店の売り場でも実際に試験導入が始まった。

アプリで全身24カ所を自動採寸

それが「Bodygram」(ボディグラム)というスマートフォンアプリ。測定したい人物の写真撮影とデータを入力することで、全身24カ所の数値を自動採寸してくれるという。

利用方法は簡単で、アプリ上から性別・年齢・身長・体重を入力し、スマホで全身の前面・側面の写真を2枚撮影するだけ。すると、独自開発のAIが推定したサイズについて、首回り、腕の長さ、ウエスト、股下など、全身24カ所の数値を表示してくれる。

全身の写真から体を採寸してくれる(提供:Bodygram Japan)
この記事の画像(6枚)

AIにより、被写体のボディラインは洋服の上から推定できるため、服を着たままで測定できるのが特徴。採寸の精度も高いそうで、実際の服選びなどに活用できるという。

身長などの入力画面と結果表示画面(提供:Bodygram Japan)

ただし、正確な採寸のためには、写真撮影時に人や障害物がない場所であること、体のラインが見えにくい服などは避ける必要があるという。公式ウェブサイトには詳しい注意点が掲載されているので、気になる人は確認してみるといいだろう。

写真撮影時の注意点(提供:Bodygram Japan)

そしてこのBodygram、大手百貨店の「そごう 横浜店」(11月17日から)と「西武 池袋本店」(11月18日から)の紳士服ワイシャツ売り場で試験的に導入されている。

たしかに便利そうではあるが、百貨店だと衣類は試着できて、ぴったりなサイズを探せるはず。2つの百貨店を運営する「そごう・西武」の担当者に聞いてみると、コロナ禍での接客が関係していた。
 

コロナ禍での顧客対応を見据えて導入

ーーBodygramを導入した理由を教えて

コロナ禍で販売員に直接触れられたくない、他人と距離を確保したいお客さまがいらっしゃるのでは
と仮説を立てました。Bodygramは直接触れなくても採寸できるシステムなので、安心してお買い物をしていただきたいという思いから、売場に導入させていただきました。


ーー紳士服のワイシャツ売り場を選んだのはなぜ?

必ず正確なサイズをお測りする必要があるアイテムであること、また、意外と「自分の正しいサイズが分からない」という男性が多いことから、まずはワイシャツ売り場でトライアルをすることにいたしました。

売り場での撮影イメージ(提供:そごう・西武)

ーー実際の接客はどのように行われる?

お客さまの基本情報(性別、年齢、身長、体重)の4項目を入力させていただき、売場にご用意したスマートフォンで正面と側面、2枚の写真を撮らせていただくことで、全身24カ所を計測させていただきます。そのデータを元に、販売員がお客さまのご希望も踏まえ、最適なサイズのワイシャツをご案内させていただく流れになります。

接客する販売員の不安も解消できる

ーー現場の従業員はどう受け止めている?

新しい接客手法なので、慣れるまでは戸惑いの声もありますが、(コロナ禍では)販売側からしても、日々多くのお客さまに店頭で接客するという不安の面もあると思います。

非接触のシステムを導入するということに関しては、前向きに取り組んでいただいてます。販売員からは写真を撮るだけなのに、採寸の精度の高さに驚いたという声も多くもらっています。


ーー導入によって想定される効果は?

服を着たまま手軽に全身のサイズを測ることができるので、新しい接客体験の体感、楽しんでお買い物をしていただける1つのツールになればと考えております。

また、従来は奥さまがご来店されても旦那さまのサイズが分からず、適正サイズをお買い求めいただけないケースもありましたが、アプリでご自宅で計測した上でご来店いただくなど、アプリそのものを活用してお買い物していただけるようになればと思います。

販売員の不安解消にも期待(提供:そごう・西武)

ーー顧客から反応は寄せられている?

スタートしたばかりなので、そこまで利用者は多くないですが、簡単に服を着たまま正確に採寸できる技術に驚かれ、ご自身でもアプリをダウンロードして普段使ってみたいという声はいただいています。初動では、20~30代の若い方が楽しんで体験している傾向が見られます。

他店舗への導入も視野に

ーー他の売り場への導入は?オーダーメードのスーツなどは作れる?

お客さまの声や販売員の声をお聞きして、今後は他の売場での活用方法についても、検討していきたいと思っております。


ーー他店舗で導入される可能性はある?

「そごう 横浜店」と「西武 池袋本店」2店舗でのトライアル(3カ月間)を検証し、有効に活用できそうであれば、他店舗にも取り組みを広げていきたいと考えております。


Bodygramを百貨店が導入したのは、コロナ禍での顧客満足度向上を目指した試みだった。たしかに、最終的には試着してぴったりなサイズを探すとしても、非接触で採寸し、最適なサイズを案内してもらえるのはありがたい。また、体型を客観的に測定してくれるので、通販などでも活用の余地はあるだろう。

アプリは2020年6月から、IOS・Androidのアプリストアで配信されているので、“コロナ太り”が気になる人は、今の体を採寸してみてもいいかもしれない。

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