熊本地震によって約2週間にわたり通行止めが続いていた九州自動車道が、8月14日午前6時に全線で通行可能となった。「鹿児島の物流がやっとつながった」——待ちわびた声が、運送会社の現場から上がった。さらに8月17日には、運休・減便が続いていた鹿児島と福岡・熊本を結ぶ高速バスも通常運行を再開し、利用者からも喜びの声が聞かれた。

17日ぶりの全線開通、パトカーを先頭に車が走り出した

九州自動車道は7月28日の熊本地震で大きな被害を受けた。宮崎のえびのICから熊本の松橋ICの間が通行止めとなり、九州を縦断する大動脈が約2週間にわたって分断された状態が続いた。

復旧作業にあたったNEXCO西日本は8月14日午前6時、通行止めを解除。NEXCO西日本が撮影した動画には、通行止め解除となった熊本の松橋インター付近をパトカーを先頭に多くの車が走り抜けていく様子が収められている。速度規制や対面通行となっている区間は残るものの、17日ぶりに一般車両の通行が可能となった。

松橋IC付近(8月14日)※提供 NEXCO西日本  
松橋IC付近(8月14日)※提供 NEXCO西日本  
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迂回で2〜3時間増、燃料も底をつきかけた運送現場

この2週間、最も大きな打撃を受けたのが物流の現場だ。鹿児島市の運送会社・園田陸運では、1日に約20台のトラックが鹿児島と福岡の間を行き来している。九州自動車道の通行止め期間中は宮崎や大分を経由して迂回せざるを得ず、通常より2〜3時間ほど余計にかかっていたという。

南九州物流センターの竹之内忠センター長は、迂回による影響を具体的に語った。「途中で補充しなくても往復できる車両が、福岡で燃料を補充しないと往復できないくらいの燃料の差が出ていた」。走行距離の増加は燃料消費だけにとどまらず、倉庫での作業にも波及した。

園田陸運・南九州物流センター 竹之内忠センター長
園田陸運・南九州物流センター 竹之内忠センター長

「いつも来る時間より3時間遅れれば、ここでの作業も3時間待つ。またここから出発して川内や鹿屋につないで走る。スタートが遅れるので、かなり苦労していた」と竹之内センター長は振り返る。

鹿児島から川内、鹿屋へとつながる地域の配送網全体に、遅れの連鎖が生じていたのだ。

全線再開を受け、竹之内センター長は復旧作業にあたった人々への感謝を口にした。「暑い中、作業が大変だったと思うが道をつないでくれた。それを活用して鹿児島の物流を今まで通り保っていきたい」。

8月17日、高速バスも通常運行へ——福岡便は週末まで満席

物流に続き、旅客輸送の面でも明るいニュースが届いた。熊本地震の影響で運休・減便が続いていた鹿児島と福岡・熊本を結ぶ高速バスが、九州自動車道の全線開通を受けて8月17日から通常運行を再開したのだ。

17日朝の鹿児島市の高速バス乗り場では、「お待たせしました、8時40分発桜島号です」というアナウンスが響いた。対面通行などの影響で通常より30分から1時間ほどの遅れが出る可能性はあるものの、バスの運行が戻ってきたことに利用者たちは安堵の表情を見せた。

南国交通バスターミナル(8月14日 鹿児島市)
南国交通バスターミナル(8月14日 鹿児島市)

「すごくありがたい」「新幹線はすぐとれるが、バスは空席がなかったりして大変だった」「いつもは新幹線を利用する。バスの再開はうれしい」——乗り場に集まった利用者から、口々に喜びの声が上がった。

需要の高さも数字に表れている。福岡便は今週末までほぼ満席の状態で、熊本便も17日は満席。18日以降は多少の空席があるというが、再開初日の人気ぶりは、この路線が地域の人々にとっていかに欠かせない交通手段であるかを示している。

大動脈がつながることの意味

九州自動車道の全線再開と高速バスの通常運行復帰は、単なる「道路の復旧」にとどまらない。鹿児島と福岡・熊本を結ぶこのルートは、モノを運ぶ物流の動脈であり、人々の日常的な移動を支える生活の足でもある。

2週間の寸断が、燃料消費の増大、配送の遅延、そして人の移動の不便さとして地域全体に影響を与えた。その大動脈が戻ってきたことで、鹿児島の日常がまた一歩、元の姿に近づいた。

鹿児島テレビ
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