千葉県では13日夕方から14日未明にかけて三度、線状降水帯が発生しました。
また千葉市付近では1時間に100mmを超える雨が降った際に出される記録的短時間大雨に関する情報が相次ぎました。

午後6時40分に1回目が発表され、約5時間でその数、合わせて6回。
この影響などで交通機関がまひし、家に帰れない帰宅困難者が続出しました。

JR蘇我駅には約4000人が、成田空港には約7000人など1万人を超える人が不安な一夜を過ごしました。

想定外の雨はなぜ起きたのでしょうか。
帰宅困難者の証言などから100mmを超える猛烈な雨の脅威が見えてきました。

記録的な豪雨から一夜明け、JR千葉駅前には長蛇の列ができていました。

行列にいる人の多くは、家に帰ることのできなかった帰宅困難者です。

バスを待つ男性:
きのうは道路が冠水して、電車も動かず、千葉県庁の方で帰宅困難者として一夜を過ごしました。(Q.こんな経験ある?)ないですね、初めてです。

13日夜、仕事終わりに合流したという親子。
家に帰れず近くの市役所で雑魚寝したといいますが、一睡もできず、バスを待つ列に並んでいました。

しかし、係員から「2番乗り場からのバスは本日、水没の車両があちらこちらに止まっている影響で、バスが通り抜けできませんので、全面運休が決定しております」と呼びかけがありました。

親子は「(Q.このあとどうする?)いったん電車戻って…。再開を待つしかない」と話しました。

JR蘇我駅周辺では自衛隊が14日朝、駅で一夜を過ごした人など約4000人を市内の滞在施設などに輸送しました。

しかし、午前11時ごろ、駅前のタクシー乗り場には30人を超える人が行列を作っていました。

妻に駅まで迎えに来てもらう予定だった男性:
迎えに来てもらったんですけど、奥さんの車も水没しちゃいまして…。(自分は)途中にコミュニティーセンターがあり、そこに立ち寄らせてもらって夜を明かしました。

蘇我駅から車で10分の場所にある施設には、自衛隊によって輸送された人など約400人が身を寄せていました。

受付には避難者に配布されているビスケット、アルミシート、水などが置かれています。

中にはアルミシートに身を包み、暖をとる人の姿も。

避難者:
すごく体が冷えちゃったんですけど、これ(アルミシート)が1枚あるとすごく暖かくて使ってました。(避難する前は)千葉に帰る電車も動かなくなり、(JR蘇我駅の)構内でもうずっと体育座りで、座る場所がないという感じでした。

着物を着たまま避難してきたという女性は、勤め先の呉服店から帰宅する途中に電車が止まったといいます。

避難者:
(着物があるので)大変でした、寝られなくて。ずっと座ったままだった。(Q.帰れるめどは?)今日はわからないです。もう一晩(避難所に)お願いするかも。

千葉県内では豪雨によって至る所で冠水が発生。
交通機関がまひし、各地でタクシー待ちの帰宅困難者による長い列ができました。

一方、一時レベル5大雨特別警報が出たことで、県内で複数の営業所を運営するタクシー会社は、全ての車両に対し高台に避難するよう指示したといいます。

京成タクシーセントラル・古井丸営業部長:
運転に自信のない乗務員等は、もう早めに車庫に帰ってきて、今日は営業しませんという形で帰ってしまった者も多数いましたね。(Q.客を乗せながら身を守る状況は?)もうその場その場で冠水しているとか、車が止まっているとか状況判断を乗務員がして、お客さまにお伝えして、回り道をしてみたりとか、危険を回避する行動を取っていた。

13日、気象庁が千葉県北西部と南部に線状降水帯が発生したと発表したのが午後5時58分。
しかし街は、それよりも前に豪雨の影響を受けていました。

県の北西部・市川市に設置された防犯カメラ映像では、線状降水帯が発生する2時間ほど前にすでに道路は冠水。
午後6時半ごろには、画面下側のガレージまで水が入り込み、道路は人のひざ下辺りまで水位が上がっていました。

2度目の線状降水帯は午後8時50分。
船橋市では冠水が相次いだことから、電車や路線バスが運転見合わせとなり、帰宅手段を失った人などがタクシーに殺到。

千葉市付近では1時間に100mm以上の雨が観測された際の記録的短時間大雨に関する情報が合わせて6回出されました。
街の様子はどう変わっていったのでしょうか。

最初に出されたのは午後6時40分。
この間、千葉市中央区にあるライブ映像を見てみると、激しい雨が打ち付け、稲光が光る様子が。
その20分後、街は冠水しました。

同じころ、中央区ではビルを超えるほどの高さまでマンホールから水が噴き出す様子も。

撮影者:
自分の周りで起こったことがない。やっぱりこれが起こると怖いよねというのは再認識した。

4回目の情報が出されたころの千葉市内は、川の水位が橋のすぐ下まで迫ったほか、行き交う人のひざ辺りまで冠水している場所もありました。

最後の情報が出されたのは午後11時半ごろ。
ライブカメラ映像には、雷が光る中、ひざ辺りまで水に浸かりながら人々が街を歩いていました。

取材する中で聞かれたのは、「(Q.なかなかここまでの雨は)ないです、ないですね」「単発的にはあったが、(雨が)すごく続いてた、びっくりした。まさか千葉がっていう状況ですね」といった声。

気象のメカニズムに詳しい専門家は、千葉県が豪雨に見舞われた背景の1つに、今週、列島を横断した台風15号の影響を指摘します。

名古屋大学・横浜国立大学 坪木和久教授:
(台風15号が)東から西へ動く台風だった。反時計回りの流れによって、南から暖かく湿った空気が入ってくる。

逆走台風によって関東の上空には暖かく湿った空気がたっぷりと流れ込んだ状態に。
さらに、13日の千葉県内はというと…。

名古屋大学・横浜国立大学 坪木和久教授:
きのう、特に夕方あたりからかなり気温が低かった状態だと思う。南東からの湿った空気のぶつかり合いが千葉県上空で長時間持続したことで、次々と線状降水帯が発生し、千葉県に大量の雨をもたらしたと考えられる。

上空の暖かい空気と地表の冷たい空気。
一般的なゲリラ雷雨と真逆の状態だったことなどが、雨雲が長時間発生し続ける条件になったのではといいます。

榎並大二郎キャスター:
改めて対応の難しさが浮き彫りになりましたね。

山崎夕貴キャスター:
レベル5の特別警報が出てからでは遅いです。まだ大丈夫だと思わずにレベル4の危険警報が出ているうちに安全な場所を確保するか、避難することが大切になりますね。

榎並大二郎キャスター:
予測が難しいという状況もある中で、予想を上回る雨が降ることも念頭に置いて、いざという時どう行動するのか改めて確認しておくことの大事さを感じます。