台風の影響で延期を余儀なくされていたH3ロケット9号機が、8月11日午前4時23分、鹿児島・南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げられた。機体は順調に飛行を続け、打ち上げから約29分後、搭載していた衛星「みちびき7号機」を予定の軌道に投入。打ち上げは見事に成功した。
2回連続の成功、担当者は「足に力が入らなかった」
成功の報を受けたJAXAの有田誠プロジェクトマネージャは、率直な言葉でその瞬間を語った。
「今までにない緊張感で打ち上げに臨んだ。成功して立ち上がろうとしたが、足に力が入らなかった。気持ちとしてうれしい」
台風13号の影響による延期を経ての打ち上げだっただけに、担当者にとっては並々ならぬプレッシャーがあったことがうかがえる。今回の成功は、6月の6号機に続く2回連続の成功でもあり、H3ロケットの信頼性を印象付ける結果となった。

見学者150人が見守った、夜空を照らす打ち上げの瞬間
種子島の夜明け前、南種子町が指定した見学場には約150人が集まり、打ち上げの瞬間を固唾をのんで見守った。

「迫力があって楽しかった」「太陽くらい明るかった」「すごく明るく見えて、すごく感動した」
訪れた見物客からは、こうした興奮の声が次々と上がった。暗闇を切り裂くロケットの光は、太陽にも例えられるほどの明るさで夜空を照らし、集まった人々に強烈な印象を残した。

「みちびき」とは 身近な生活を支える日本版GPS
今回の9号機に搭載された準天頂衛星システム「みちびき7号機」は、日本版GPS衛星とも呼ばれる存在だ。スマートフォンやカーナビへの位置情報の提供をはじめ、地震や津波といった災害情報の発信にも役立てられる、私たちの日常生活に直結した衛星である。
今回打ち上げられたみちびき7号機は、6機目にあたる。打ち上げから約7カ月後に測位サービスを開始する予定だ。

7機体制へ、他国に頼らない測位システムの実現に向けて
政府が目指しているのは、他国の衛星に一切頼らず「みちびき」のみで測位が可能になる7機体制の確立だ。今回の6機目の打ち上げ成功により、その目標達成へ向けた歩みは確実に前進した。
H3ロケットの連続成功と、みちびきのネットワーク整備が着実に進むことで、日本の宇宙開発と私たちの暮らしの両方が、より確かな基盤の上に立つこととなる。
(動画で見る▶H3ロケット9号機、打ち上げ成功 日本版GPS衛星「みちびき7号機」を予定軌道に投入)

