11日にかけて台風15号が福島県へ最接近します。東から西へ進む異例の進路の理由や県内への影響について、福島テレビの斎藤恭紀気象予報士が詳しく解説します。
■台風15号なぜ逆走?
今回の台風15号は、通常と異なり東から西へ進む珍しい進路をとっています。予報がだんだん南下しているのは、上空の強い寒気の渦である「寒冷渦(かんれいうず)」が関係しています。寒冷渦が予想以上に早く南下したことで、台風が南へ押し流される形となりました。
■珍しい進路 カギを握る黒幕の存在
さらに大きなスケールで見ると、雲が東から西へ流れているのが確認できます。これは反時計回りの巨大な低気圧性の循環「モンスーンジャイア」が大きく影響しています。
通常は夏の高気圧がある場所にモンスーンジャイアの低気圧部ができ、その北側に夏の高気圧が存在しています。この循環によって台風が北上したあと、北にある夏の高気圧のふちを回るように東から西へと進む特殊なルートを描いています。
【台風15号のポイントと対策】
雨:風が阿武隈高地にぶつかることで雨雲が発達しやすく、阿武隈高地や県南を中心にまとまった雨となる見込みです。土砂災害に注意してください。
風:浜通りや中通りを中心に、広い範囲で瞬間15m/s以上の強風が吹くおそれがあります。台風が東から近づくため、通常は台風通過後に吹く「吹き返し」の風が、接近前の午前中から吹き始めるのが特徴です。
農作物への影響:風で果実が落ちやすいリンゴ(モモに比べて軸が長いため揺れやすい)や、ビニールハウスの損壊対策を行ってください。
交通への影響:11日夕方以降は関東地方で嵐となるおそれがあり、東北新幹線に遅れや運休が発生する可能性があります。移動の際は早めの行動を心がけてください。
■あすのエリア別天気
【会津地方】
午後からは風がやや強まりますが、雨は夜には上がる見込みです。台風の直接的な影響は比較的少なく、台風が来ているのを実感しにくい天気となりそうです。予想最高気温は喜多方で25℃、会津若松で25℃です。
【中通り】
昼前から風が強まり、瞬間15m/s以上の強風となるおそれがあります。農業用ハウスの損壊対策などを事前に行いましょう。郡山周辺でも午後から風が強まりますが、嵐のような荒天になる可能性は低いです。東白川周辺など県南エリアでは土砂災害に注意が必要です。予想最高気温は福島で24℃、郡山で23℃、白河で22℃です。
【浜通り】
午後は傘がさせないほどの強い風が吹く見込みです。沿岸では波の高さが3mのち8mと大化けし、うねりを伴うため非常に危険です。海には絶対に近づかないでください。予想最高気温は相馬で24℃、いわきで26℃です。
■週間予報
あさって12日以降も上空の寒気や湿った空気の影響で大気の状態が不安定となり、すっきりしない天気が続くでしょう。お盆期間中は気温があまり上がらず涼しい日が続きますが、屋外でのレジャーにはあいにくの天気となりそうです。16日前後には新たな熱帯低気圧や台風が北上してくる可能性もあります。今後の最新情報に十分注意してください。
※2026年8月10日放送の福島テレビ・テレポートプラスの天気コーナー「福テレ空ネット」からの抜粋記事。気象情報は放送時(午後6時半時点)のもの。最新の予報をご確認ください。
