2026年の防衛白書が4日、閣議に報告された。
防衛装備移転三原則を改正し、安保三文書の前倒し改定を行う節目の年として、「新しい戦い方をめぐる動向」に関する記述を新たな項目として追加した。
この中では、ロシアによるウクライナ侵攻で、無人機の大量運用・用途拡大やAIの活用、偽情報の流布などの情報戦といった「新しい戦い方」が見られているとした上で、「侵略が長期化するなかで、持続的な対応能力を確保することの重要性が浮き彫りになっている」とも指摘。

「各国では、新しい戦い方や長期戦への備えを急いでいる」として、無人機やAI(人工知能)の活用、防衛生産・技術基盤の強化といった継戦能力の確保などに向けた取り組みにも言及している。
また、中国については、沖縄県の尖閣諸島周辺をはじめ、日本海や太平洋など日本周辺で軍事活動を活発化させていると分析。
2025年には、中国の空母が硫黄島より東側の海域で活動したほか、中国軍機による自衛隊機への特異な接近や、約30分間にわたる断続的なレーダー照射などが相次いだと記した。

前年と同様に「我が国と国際社会の深刻な懸念事項であり、これまでにない最大の戦略的な挑戦」と位置付けた。
同時に中国とロシアの連携強化に重大な懸念を表明した。
北朝鮮については、「今後も核・ミサイルをはじめとする戦力・即応態勢の維持と一層の強化に努めていく」との見方を示し、そのの軍事動向は日本の安全保障にとって、「従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威」としている。
さらに、北朝鮮は「ロシアとの協力関係を急速に進展させている」と指摘し、ロシアとの軍事協力を通じて、北朝鮮の軍事力が中長期的に増強されるおそれがあると懸念も示した。

こうした中国や北朝鮮の軍事力増強や新しい戦い方への備えなどで、「安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じている」とした上で、安保三文書については、「2026年中の改定に向けて政府内で検討を行っている」とした。
防衛装備移転については「今やどの国も一カ国のみでは自国の平和と安全を守ることはできない。防衛装備面も含め、同盟国・同志国と共に助け合うことが必要となっている」と訴えている。

今回の白書では、若い世代にも安全保障に関心を持ってもらうため、表紙に人気アニメーター・刈谷仁美氏のイラストを採用し、技術が発展した未来感のある街並みと若者の笑顔で「未来につながる安全保障」を表現。
国民にわかりやすく広報するため、短く編集された「ショート動画」や写真を多く使った小冊子も初めて作成した。

