道路の熱が足の指に伝わり、やけどしそうなほどの暑さが続く熊本県。
最大震度7を記録した氷川町では、地震発生から6日が経過したきょう=8月3日、被災した民家の敷地内に白い円形の簡易住宅が姿を現しました。
■「顔や腕から汗が噴き出てくる」被災地の過酷な暑さ
現地を取材した関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」の城谷陽一郎ディレクターは、その凄まじさをこう伝えました。
【城谷陽一郎ディレクター】「14時すぎには、道路の熱を伝って足の指がやけどしそうなぐらい暑いです」
隣接する八代市では、この日の最高気温が39度に達しました。
建物が倒壊し、瓦が散乱した状態の自宅に残るのは、緒方タツ子さん(74)。骨折のため避難所での生活が難しく、敷地内の小屋で避難生活を続けています。
電気はおととい(1日)に復旧し、地震の中で無事だった冷蔵庫や扇風機をフル活用しながらの生活です。
そうした状況の中、8月2日、緒方さんの自宅敷地内に新たな“建物”が完成しました。
■「数時間で設営できる」名古屋工業大学が開発した簡易住宅
その名は”インスタントハウス”。
開発したのは名古屋工業大学の北川陽介教授の研究室です。テントの内側に断熱材を吹き付けた構造の簡易住宅で、丸みを帯びた白い外観が特徴的な建物です。
広さは10人が横になれるほどの空間を備えており、組み立ての主な作業は空気を注入することで、数時間程度での設営が可能だということです。
中継で取材した城谷ディレクターは「日陰ということもあり少し涼しい」と報告。断熱材が熱を一定程度、遮断していることを確認しました。
ただし、この日の時点で緒方さんはまだインスタントハウスへの移転はしていません。8月4日にエアコンの設置が予定されているからです。
インスタントハウスの中は「風がなく、暑さは残っている」と城谷ディレクターが伝えていて、エアコン設置後の環境改善に緒方さんも期待を寄せているといいます。
費用面では、エアコンの取り付けを含めておよそ50万円。名古屋工業大学の研究室が寄付を募る基金を設け、被災者には無償で提供しています。
■能登では約300棟 今回の熊本では100棟を設営予定
インスタントハウスが被災地に届けられるのは、今回が初めてではありません。
2024年に発生した能登半島地震の際には、石川県内においておよそ300棟が設営されました。今回の熊本地震では100棟の設営が予定されています。
北川教授は自身のSNSを通じて支援の輪を広げており、棟数の増加を望む人々に向けて情報を発信しています。
■「政治の力をこういうときに使うべきだ」橋下徹氏
スタジオでは、元大阪府知事・橋下徹氏がこの取り組みを評価しつつ、政治への注文を口にしました。
【橋下徹氏】「被災地にこういう涼しい建物をつくる。政治の力ってこういうときに使うべきで、高市さんに現地を見ていただいて、大号令をかけてもらって、必要なんだったら一気に増やしてもらいたい」
橋下氏はかつて関西国際空港の橋にタンカーが衝突した際、当時の菅官房長官の号令によって通行が1週間程度で再開されたことを例に出し、「政治が力を本気で出せばそれぐらいできる」と強調しました。
気象予報士の石原良純さんは、インスタントハウスによる快適空間の確保と、被災者の広域避難という二つのアプローチを並行して進める必要性を訴えた。
【石原良純さん】「これがあるからと言って、みんなそこにいるんだったら、今度はそこに物を運んだりするのも大変になる。その組み合わせですよね」
石原さんはさらに、10年前の熊本地震を経験していながらも同様の混乱が繰り返されている現状に触れ、「日本中にとっていえることで、他人事じゃなくて教訓として、自分の町で何が起こるんだろうかということを見る機会」と述べました。
橋下氏もこれに同調する形で、「事前に国会議員がこういうことを想定して法律なり制度なり作っておかなきゃいけない」と議会への問題提起を行いました。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年8月3日放送)
