長野県喬木村の椋鳩十(むくはとじゅう)記念館に「ネコ館長」がいます。人懐っこい性格で、みんなの人気者。館長就任10年を祝う展示会も開かれていて、愛情に満ちた60点を超える作品が集まりました。
■週2日出勤する「ネコ館長」
ゆっくりとした足取りで図書館へやってきたのは、トラネコの「ムクニャン」。
ここは喬木村の椋鳩十記念館と、併設された図書館。
ムクニャンは、ここの「ネコ館長」です。
出勤は木曜と日曜の週2日。それと「にゃんにゃん」にちなんで毎月22日も出勤。
朝は日課のパトロールから始まります。
館の周辺をぐるぐる―。
■「かわいがられることも仕事」
ムクニャンの飼い主は、元館長の大原文男さん(74)です。
ムクニャンの飼い主・大原文男さん:
「朝10時に連れてきて、もうだいたい日常の生活、ここがうちみたいなものですから」
開館すると、入り口の前でお客さんを待ちます。
人なつっこい性格で、みんなの人気者!
施設のPRのため、「かわいがられることも仕事」です。
村内から:
「いつの間にかなじんでいて」
「ここに来れば会える。ムクニャンがいるから行こうかっていうひとつの理由」
■「孫のよう」元館長と歩んだ10年間
館内にはムクニャン専用の場所もあります。
椋鳩十の書斎を再現した小上がりが定位置で、ここで過ごすことが多いそうです。
そんなムクニャン、「ネコ館長」になって2026年で10年を迎えました。
ムクニャンの飼い主 当時の館長・大原文男さん:
「もう10年間一緒に生活しているから、家族でもあり、孫のような存在」
■椋鳩十の「誕生日」に迷い込んで…
椋鳩十は喬木村出身の児童文学作家で、代表作の一つ、「大造じいさんとガン」は70年以上前から小学校の教科書に載っています。
その椋鳩十とムクニャンには、「不思議な縁」があります。
ムクニャンが記念館に迷い込んできたのは、椋鳩十の誕生日と同じ「1月22日」。
足をけがして駐車場で震えていたところを保護されました。
飼い主を探しましたが見つからず、当時の館長の大原さんが引き取りました。
ムクニャンの飼い主 当時の館長・大原文男さん:
「(ムクニャンは)最初から人のところに寄ってくるネコだった。図書館を頼りに入ってきたようなネコだったからみんなで大事に育てましたね」
■椋鳩十も茶トラの猫を…不思議な縁
さらに椋鳩十はネコ好きで茶トラのネコが家にいて、本のモデルにもなったそうです。
椋鳩十記念館館長(当時)・大原文男さん:
「椋鳩十もネコを多いときで10匹近く飼っていた。そこへ迷いこんだネコなので、これは何か縁があると思っている」
もともと、図書館には、トラネコ柄の「ムクニャン」というキャラクターがいたこともあり、自然と「ムクニャン」と呼ばれるように。
そして保護から3カ月近くがたった2016年4月、「ネコ館長」に就任。
その愛くるしい表情で多くの人を癒やしてきました。
■図書館では「猫かぶってます」
大原さんと一緒にこの日も元気に出勤。
来館者が訪れると、早速ネコ館長としてのお仕事です。
村内から:
「リラックスしとるな。会えてよかったな」
「ムクニャンが好きで会いに来ました。癒やされますね。子どもも喜んでいてかわいい」
館長就任から2026年で10年。今は落ち着いて過ごす時間が長くなったといいます。
ムクニャンの飼い主・大原文男さん:
「人懐っこい、みんななでていく。じっと我慢していて、それが仕事だと思っている。(家では)うるさすぎるところがあるのかなと思うが、図書館だと『猫かぶって』ます(笑)」
■愛情あふれる60点の作品
この夏、記念館ではムクニャンの館長就任10年を祝うギャラリー展が開かれています。
応募して集まったのは「60点以上」。思い出の写真やイラストのほか、フェルトや木で作られた置物まであります。
こちらは地元の児童たちが作った貼り絵。
「ムクニャンをさがせ」と題し、工夫が施された壁掛けの作品も。
どれもムクニャンへの愛情があふれています。
訪れた人は―。
子ども:
「いろいろな色があって面白かった。(ムクニャンは)毛がもふもふ」
飯田市から:
「かわいくて癒やされました」
飯田市から:
「村の人をはじめ、近隣の人から愛されていると感じる」
■これからも「一緒に元気よく」
8月5日からは記念企画も行う予定です。
ムクニャンの飼い主・大原文男さん:
「図書館が(ムクニャンにとって)一番いい環境。当たり前のようなこの環境の中で、ゆったりと生きている。こういう動物は幸せなのではないか。だんだん体も弱っていくと思うが一緒に元気よく暮らせたらいい」
名物館長のムクニャン。
訪れた人たちを癒やすお仕事が待っています。
「ネコ館長」としてまだまだがんばるにゃーー。
