石川県金沢市の県立音楽堂で、美容専門学校「金沢美専」の生徒が、これまで学んだ技術とアートをかけ合わせたライブイベント『KINBI BEAUTY LIVE2026』を開催。総合プロデューサーを務めたのはタレントのテリー伊藤さん。約180人の生徒が3カ月にわたる準備を経て舞台に立ち、「完璧にできた」と振り返る生徒の声や、テリーさんが語った"感性とビジネスのせめぎ合い"というメッセージが会場に響いた。
テリー伊藤と組んだ美容専門学校生のショー

金沢市の専門学校・金沢美専は、美容を学ぶ生徒が在籍する学校だ。2026年7月30日、その生徒たちが石川県立音楽堂のステージに立ち、メイクやヘアメイクの技術をショー形式で披露するイベント『KINBI BEAUTY LIVE2026』を行った。

今回のイベントで総合プロデューサーを担ったのは、タレントのテリー伊藤さんだ。テリーさんといえば、映像ディレクターとしてのキャリアを持ちつつ、バラエティ番組や評論活動でも広く知られる存在である。美容の専門学校生と組んだこのプロジェクトは、単なる学内発表の枠を大きく超えたスケールで実現した。

ステージには約180人の生徒が立ち、6つのグループに分かれてパフォーマンスを展開した。各グループは、自分たちで考えたコンセプトとテリーさんが与えたテーマを組み合わせ、それぞれ独自のストーリーを作り上げた。準備期間は約3カ月。企画から演出まで、生徒自身がイチから組み立てた舞台が、観客を沸かせた。

6グループが競い合ったステージの熱量
6つのグループはそれぞれ異なるコンセプトを打ち出し、衣装、ヘアメイク、演出の細部まで作り込んだパフォーマンスを展開した。紫と青の照明が交差するステージで白いファーの衣装をまとったグループや、白塗りで裂けた布を振り上げながら強烈なインパクトを放つダンサーたちの姿が会場を圧倒した。

テリーさんがテーマを与え、生徒たちがそこに自分たちのコンセプトを重ねて独自のストーリーを生み出すというプロセスは、学校の授業とは異なる緊張感と創造性をもたらした。与えられた条件のなかでいかに個性を発揮するか、という問いは、卒業後に美容の現場に出た際に直面する現実と地続きである。

「完璧にできた」、生徒たちの3カ月が実を結んだ
約3カ月の準備を終えた生徒たちの表情には、やり切った達成感があふれていた。

ある生徒は「このイベントのために入学してきたと言っても過言ではない。準備してきたものがみんなに見てもらえて、完璧にできたというのが嬉しかった」と話した。学校生活の集大成として、このイベントを位置づけていた生徒がいたことは、イベントが単なる学内行事を超えた意味を持っていたことを示している。

別の生徒は「バチっと決めるところは決めるというのが難しくもあったけど、たくさんのお客さんの前で見せられるというワクワクや楽しさがあったので、それが辛かったけど楽しかった」とステージ上での心境を語った。

準備の過程では、企画書の作成から演出の細部まで生徒が担った。技術を磨くだけでなく、舞台に向けてチームとして動く経験は、美容師やヘアメイクアーティストとして社会に出るための実践的な訓練ともなった。
テリー伊藤が語った"感性とビジネスのせめぎ合い"

総合プロデューサーとしてステージを見届けたテリー伊藤さんは、生徒たちへの思いをこう語った。
「社会に出るとお客さんに合わせていくじゃないですか。大人になっていく部分と、自分ワールドがあるわけじゃないですか。そのせめぎ合いがあると思うんですけど、両方感性を持ちながら、ビジネスでも成功していってほしい」

美容の現場では、クライアントや顧客の要望に応えることが求められる。一方で、施術者としての審美眼やオリジナリティがなければ、本当の意味での"プロ"にはなれない。テリーさんが指摘した「せめぎ合い」とは、社会に出たあらゆる人間が直面する葛藤であり、美容学生に限った話ではない。

映像ディレクターとして数多くの現場を経験してきたテリーさんだからこそ、その言葉は具体的な重みを持って受け取られた。美容を学ぶ学生が、3カ月をかけてひとつの舞台を作り上げ、全力でやり切った。その事実そのものが、彼女たち・彼らが社会に出たとき、確かな支えになるはずだ。テリーさんが語った「感性とビジネスの両立」は、このステージの上ですでに始まっていた。

(石川テレビ・7月30日放送)

