小中学校の再編や統合に伴い、悩ましい問題が浮上している。7年前に4つの小学校を統合した小浜市では、児童の通学手段であるスクールバスの経費が年間約5800万円にのぼり、財政への負担が浮き彫りとなっている。
統合後アンケート「良かった」が8割超も…
大きな校舎が目を引く小浜市の小浜美郷小学校。市内東部にあった4つの小学校を統合して新校舎が建てられ、2019年4月に開校した。
市は去年2月、開校から約6年となるタイミングで統合の効果を検証するため卒業生と教職員、保護者を対象にアンケートを実施。「統合して良かったか」の問いに学級体制の確保や人間関係の広がりなど総合的に「良かった」とする意見が8割を超えた。
成果があったとする一方で浮き彫りとなったのが、スクールバスの費用だ。統合により通学距離が増えたことから、美郷小では新たにスクールバスが導入され、全校児童の6割がバスを利用している。
市が民間に委託しているバスの費用は年間で5800万円あまり。物価高騰や人件費の上昇など委託料は今後も上がることが予想され、市の財政に重くのしかかっている。
財政負担増で今後の統廃合を白紙に
小浜市教委員会は「通学エリアが非常に広くなり一番遠いところで7キロ離れている。財政負担が大きくなるのは避けられず、慎重に対策を進めたい」とする。
市では当初市内の小学校の数を最終的に4校にする方針だったが、経費の現状も踏まえ統合の方針を白紙にし、2028年度までに新たな方針を定めることにしている。
市内全域で統合を進めた場合にはスクールバスの経費がさらに膨らむことは明らかで「今後は単なる統合の議論にとどまらず、財政負担の想定や公共交通との連携も含め総合的に検討する必要がある」とし、他の自治体の例も情報収集するなどし財政への負担を少しでも減らしたい考えだ。
行政でバス購入も
少子化が進む中、小中学校の再編や統廃合はやむを得ない面もある。統合後のスクールバスの費用の問題は小浜市だけではない。福井テレビでは今回、統廃合を進める市町にスクールバスの現状を取材した。
<大野市>
2024年4月に中学校を2校に再編した大野市では、遠方から通う生徒のために1台約1000万円のバスを市が7台購入。運行は民間に業務委託し、年間の経費は約5000万円。
<越前町>
越前町の織田地区では今年4月から2校あった小学校が1校に統合。それに伴いスクールバスを1台増やし、業務委託費は年間1000万円弱。また、運転手不足も課題。
<勝山市>
勝山市では来年度から3校ある中学校を1校に再編する。この再編を機にスクールバスを導入することになり、約2億円かけてバスを12台購入する。勝山市はこれに合わせてコミュニティバスを廃止し、一般客も生徒と一緒にスクールバスに乗ることができる「混乗」という形をとる。こうすることで国の財政支援が得られ、コミュニティバスの代わりに日中は予約制の乗り合いバスを運行する。
少子化に伴い進む統廃合。その一方で新たな課題が浮き彫りとなっている。

