夏の富山に、見逃せないスイーツがある。射水市の海沿いで提供される「極上メロンかき氷」と、砺波市の農園カフェが誇る「桃パフェ」だ。どちらも、この季節にしか出会えない素材と手仕事が詰まった一品である。「食べ進めていくごとに中からいろんなものが出てくる」「一番おいしい状態をそのままパフェで形にして提供する」―作り手たちのこだわりとともに紹介する。

富山湾を一望しながら味わう、ふわふわかき氷 射水市「ミチツムギ」

射水市の海沿いに、ひときわ目を引く外観の店がある。焼き菓子とかき氷を提供する「ミチツムギ」だ。店の外には列車のプレートや線路が敷かれ、遊び心あふれる佇まいが道行く人の足を止める。店内に入れば、富山湾を一望できる贅沢な空間が広がる。


この夏、ミチツムギで特に注目を集めているのが「極上メロン」のかき氷だ。愛知県の農家から直接仕入れた極上のメロンをたっぷりと乗せ、レモン味の焼き菓子を散らして仕上げる。見た目はまるで一つの芸術作品のようで、食べるのを躊躇してしまうほどの存在感だ。

口に運ぶと、氷はすっと溶けるような、ふわふわの食感。メロンのジューシーなみずみずしさに、さっぱりとしたヨーグルトソースが絶妙に絡み合う。さらに食べ進めると、氷の中からパッションフルーツゼリーが姿を現す。

店の松岡亮兵さんは言う。「ソースも全部自家製ですし、このゼリーも全部自家製で、食べ進めていくごとに中からいろんなものが出てくるので、それも楽しみ方の一つですね」。ミルクの自家製ソース、メロンソース、そしてゼリー―仕込みのすべてを手作りで行うこだわりが、この一杯に詰まっている。散らされたレモン味の焼き菓子はざくざくとした食感のアクセントとなり、最後まで飽きさせない工夫が随所に光る。

特筆すべきは、ミチツムギが一年を通じてかき氷を提供しているという点だ。かき氷好きを指す「ゴーラー」という言葉があるように、熱心なファンは季節を問わず足を運ぶ。「ゴーラーさんは季節関係なく一年中かき氷を楽しみたい方がいらっしゃるので、冬も開けています」と松岡さん。季節ごとに異なるかき氷を楽しめるのも、この店ならではの魅力である。
「ミチツムギに来ていただいて海を見ながらかき氷を食べて、夏の暑さも忘れるような癒しのひと時を過ごしていただけると嬉しいです」――松岡さんのその言葉通り、富山湾の景色と冷たいかき氷が、夏の疲れをやさしくほぐしてくれるはずだ。

畑から直送、14種の桃で作るパフェ 砺波市「長者」


砺波市にある農園カフェ「長者」では、自社農園で育てた旬のフルーツを使ったスイーツを提供している。今の時期にぜひ味わいたいのが、長者特製の「桃パフェ」だ。桃を2玉以上使ったパフェは、想像をはるかに超えるボリュームで目の前に現れる。

使用する桃は、店のすぐ横の畑で採れたもの。長者では現在14種類の桃を栽培しており、8月上旬から9月下旬にかけて、時期によってパフェに使う桃の品種が少しずつ変わっていく。つまり、そのたび異なる桃の味わいに出会えるという、農園カフェならではの贅沢な楽しみ方ができるのだ。

パフェの真ん中を飾るのは、桃を使った自家製シャーベット。「香料を一切使っていませんので、桃本来の味わいであったりとか、香りも存分に楽しめるシャーベットとなっています」と、店の林竜太郎さんは説明する。採れたての桃そのものの甘さと香りを封じ込めた、潔いまでのシンプルさが際立つ。


もとは米づくり農家だった長者らしいトッピングが「団子」だ。一見すると意外な組み合わせに思えるが、食べてみると白玉とは一線を画す弾力があり、噛めば噛むほど甘さがじんわりと広がってくる。フルーツとの相性も抜群で、パフェ全体に和の奥行きを加えている。米粉を使った和菓子づくりの技術が、こんな形でスイーツに生かされているのだ。

「フルーツっていうのは採れたてが一番美味しいと思うので、地場産の強みを生かして、採れた旬のフルーツをパフェという形で皆さんに新鮮な状態で楽しんでいければと。そういったお店にしていきたいと思っています」と、林さんは話す。畑と厨房がほぼ直結した環境だからこそ実現できる、圧倒的な鮮度と甘さ。農家の誇りが、一杯のパフェに凝縮されている。


長者では桃パフェに限らず、季節ごとに旬のフルーツを使ったパフェを提供している。富山の農の恵みを、スイーツという形で味わえる貴重な場所だ。

夏のうちに、足を運んでみてほしい
射水市「ミチツムギ」の極上メロンかき氷、砺波市「長者」の桃パフェ―どちらも、この夏だけの期間限定スイーツだ。季節の素材を使ったメニューは販売が終了していることもあるため、事前に各店舗へ確認してから訪れることをおすすめする。なお、両店の詳しい情報は「Takt8月号」でも紹介されているので、あわせて参考にしてほしい。
(富山テレビ放送)

