創業60年の老舗つまようじメーカーが会社情報を悪用した無関係の偽サイトの被害を訴えた。公式HPなどで注意喚起しサイトは削除されたが、新たに看板商品の高額な無断転売が問題となっている。
老舗メーカーが“偽サイト”被害に…
創業60年の老舗つまようじメーカーが、“偽サイト”の被害に憤っている。

菊水産業・末延秋恵社長:
ウソやろ、みたいな話。代表の名前も私の名前が勝手に掲載されていて住所も書かれてるっていう状態やって。かなり迷惑な話。
被害を訴えているのは、大阪府河内長野市にある、「菊水産業」。

看板商品は、北海道の白樺を使った国産つまようじで、価格は300本入り660円。
現在、在庫はなく予約待ちの人気商品だ。

菊水産業・末延秋恵社長:
薬剤、薬品とかいうのを一切使用してない。日本国内で製造されている安心感っていうので、やっぱり選ばれている方が結構多いです。

末延社長は5年前、祖父とおじから会社を引き継ぎいだが、その直後、野焼きが飛び火し、倉庫や作業場、事務所が全焼する火災に見舞われた。
その事態を乗り越えて、つまようじ作りを継け、ネットでの販売にも力をいれ始めたタイミングで、新たな問題が次々と降りかかった。
その1つが、この“偽サイト”だ。
販売しているのは、洋服やカーペットなど、爪楊枝とは無関係の商品ばかりだ。

しかし、会社概要には「菊水産業」の社名や住所、さらには社長の名前まで無断使用されていた。
ただ、会社の規模は偽っていて、売上は6000億円、従業員は5600人と書かれていた。
菊水産業・末延秋恵社長:(Q実際の従業員数は?)
私入れて5人で本当に小さい会社で町工場をやっているので全然うちとは違う、もうめちゃくちゃ大企業になっている。
偽サイトの存在を知ったのは2026年5月だという。
菊水産業・末延秋恵社長:
全然知らない人から(SNSで)ダイレクトメッセージが届いて『カメラ売っていますか?』みたいな。全然知らないECサイトの企業情報に菊水産業って書かれてあった。
さらに翌日、別の男性からかかってきた電話で、実際の被害が明らかになった。
菊水産業・末延秋恵社長:
『自分が欲しかったゴルフクラブがあって、安い値段で販売していたのでうれしくなって買ってしまって、振り込みもしてしまった』と…。

菊水産業・末延秋恵社長:
金額は9000円くらいと言っていました。被害者が実際に出ている状態。
この男性にゴルフクラブは届かず、支払ったお金も戻っていない。
末延社長は公式サイトやSNSで、こう注意を呼びかけている。
「【重要】当社名・会社情報を無断使用した、偽サイトにご注意ください」
偽サイトは、把握してから1週間ほどで削除された。
“偽サイト”に続き…“無断転売”も
しかし、末延社長社長は、新たな事態に直面している。“無断転売”だ。
取材班:
こちらの大手通販サイトでは、菊水産業のつまようじ30本入りが、許可のない転売により3580円で販売されています。

正規の商品と同じ、“菊水”のロゴ画像を無断で使い、あたかも正規販売のように見せかける手口。
木箱に個包装された30本入りのつまようじが、定価の2200円より、1400円ほど高く売られていた。

菊水産業・末延秋恵社長:
別に取引している企業の名前でもないから、多分、転売なんだろうなって感じはしますね。菊水産業で検索してうちに問い合わせが来る可能性もある。こうやって名前が出るのは迷惑でしょ。
専門家は“詐欺罪”の可能性を指摘
“偽サイト”と“無断転売”、それぞれの違法性について、専門家に聞いた。

橋下総合法律事務所 溝上宏司弁護士:
販売元を偽って、製造会社の公式販売があるかのように出品や販売をする行為は詐欺罪が成立する可能性が考えられる。
では、“無断転売”については、どうだろうか。

橋下総合法律事務所 溝上宏司弁護士:
製造会社の方が、転売は禁止であるとか、転売目的での販売は行わないことを表明している場合に転売目的を隠して購入してそれを転売する行為は、購入時点で製造会社に対する詐欺罪が成立する可能性が否定できない。
菊水産業は今後、公式ホームページなどに、転売禁止を明記することも検討している。
(「イット!」7月23日放送より)

