静岡県掛川市の霊園で、慰霊施設やさい銭箱の屋根に使われていた銅板が盗まれる被害が発覚した。各地の神社や寺でも同様の盗難が相次いでおり、背景には銅価格の高騰があるとみられる。関係者からは憤りの声が上がっていて、警察が窃盗事件として捜査を進めている。
さい銭ではなく屋根の“銅板”盗まれる
静岡県掛川市にある霊園で、観音像の目の前には、屋根が1面ブルーシートに覆われてしまった建物がある。
ディレクター:
こちらは戦争で亡くなった方を祀る忠魂碑なのですが、その目の前にあるさい銭箱の屋根の銅板が盗まれたということです。

屋根に使われていた銅板が無残に剥がされるという罰当たりな盗難が起きていた。
事態が発覚したのは9月3日。

銅板が盗まれたのは、平和観音像の鐘がある屋根の一部と、戦没者を慰霊する石碑のさい銭箱がある銅の屋根すべてだ。

犯人はさい銭箱のお金には目もくれず、屋根の銅板だけをターゲットとしていたようだ。
慰霊祭などを行う遺族会は次のように話す。
掛川市遺族会 掛川ブロック長 太田雅規さん:
これだけのことをやるっていうのは、1人2人の仕事じゃないと思う。だからある程度グループで来て、銅板のいいとこだけを持っていった。

霊園を管理する市は、警察に被害届を提出した。
屋根の修繕など今後の対応については決まっていないという。
銅板窃盗が周辺で相次ぐ
掛川市遺族会 掛川ブロック長 太田雅規さん:
こういうむごいことを本当にされて、我々遺族としては本当に悲しい思いでいっぱいです。早く犯人が捕まっていただければありがたいなと思っております。
こうした銅板の盗難は各地で相次いでいる。

8月25日、浜松市の白山神社では、本殿とその隣の建物の屋根に貼られた銅板、合わせて6000枚が盗まれる被害が発覚した。被害額は2000万円以上にのぼるという。

さらに、8月30日には長野県の高地彰徳神社でも、屋根の銅板が広範囲にわたって盗まれた。
被害額は約125万円だ。
金属の買い取りルールが強化されても“なくならない”
なぜ屋根の銅板が相次いで狙われるのか。

銅の1キログラムの平均価格は今年8月、2359円を記録している。
7年前の3.5倍以上となり、毎年価格が上昇し続けているのだ。

そこで6月からは、金属盗難の流通を防止するための法律が強化された。

金属を買い取る業者に届け出を義務づけ、さらに売却する人の本人確認も義務づけた。
しかし、歯止めがかからない実態に専門家は次のように話す。

防犯アドバイザー 京師美佳さん:
盗品だとわかっていて買い取りする業者も中にはいます。そういったところに買い取りが集中したりっていう傾向はあるようです。なくならないっていうのが現状だと思います。
盗難被害を防ぐには、防犯カメラを設置するなど盗ませない対策が不可欠のようだ。
防犯アドバイザー 京師美佳さん:
必ず大量窃盗の場合車を使いますので、せめて車が進入できないように塞いでしまう。必ずその周辺っていうのは被害が続きますので、皆さん他人事にならずに一緒に備えていただくっていうことは大切だと思います。
(「イット!」9月7日放送より)

