症状が現れない人は、まさか自分が蚊に刺されて既にデング熱に感染しているとは思わないから、普通に外出するし、旅行や出張にも平気で出かけてしまいます。
無症状であっても、デングウイルスを持つ蚊に刺された人は感染者となり、刺されて数日たつと感染力を持ちます。そしてその人をまた別の蚊が刺し、さらにその蚊が別の人を刺せば、どんどん感染が広がっていくことになるのです。なお一度デングウイルスに感染した蚊は、一生体内に保有します。
予防は殺虫剤と虫よけしかないが…
デング熱には国内で承認されたワクチンや特効薬が存在しないため、感染から身を守るには、殺虫剤や蚊取りを使って、できるだけ蚊に刺されないようにするしか方法はありません。
そのためデング熱騒動が起こった年、首都圏では殺虫剤や蚊取りを購入する人がドラッグストアやホームセンターに押し寄せて、品薄状態が起こったことがありました。
もし今後、全国各地で同時多発的にデング熱が流行した場合は、同様の状況が各地で起こりパニックが生じることも予想されます。
本来、殺虫剤需要が高まり品薄になった時は、メーカーが追加生産すれば済む話なのですが、殺虫剤の場合は追加生産がなかなか難しいのが現実です。
各メーカーは「今年はこの商品をこの時期にこれだけ生産する」という綿密な年間計画を立てて生産スケジュールを組んでいるため、急に増産をすることができません。仮に増産をできたとしても、製造中の他の商品のラインを止めて薬剤を一度きれいに洗い流してから、あらたに製造ラインを組みなおさなければなりません。
さらに、殺虫剤原料によってはヨーロッパや諸外国からの船便になるため、原料を追加注文しても到着するまで1カ月程度はかかってしまいます。それを待ってから増産に取りかかっていては、商品が店等に並ぶ頃には蚊の季節は終わってしまいますよね。
一般家庭でも殺虫剤と虫よけの備蓄を
厚生労働省もこうした状況を重くみて、国や自治体をあげて殺虫剤の備蓄強化に乗り出してはいるようですが、まだまだ安心できる状況ではありません。

