北陸新幹線の与党整備員会は15日、敦賀-新大阪間について小浜・京都ルートの「桂川案」とすることで合意した。2016年に与党PTが「小浜・京都ルート」と決定してから10年、一歩前進となったが、2027年度中の認可・着工に向けては、数多くのハードルが残されている。
自民・維新が共に提案した「桂川案」で決着
北陸新幹線の敦賀から新大阪までの延伸を巡っては、2016年に「小浜・京都ルート」で決定したものの、沿線の京都市などから地下水への影響を懸念する声が上がったほか、維新が米原駅で東海道新幹線に接続する案などを主張し、改めて8つのルート案について費用対効果などから再検討することになった。
7月10日の整備員会では自民が▼京都駅地下を通る小浜・京都ルートのうちJR京都駅の地下に新駅を設ける「南北案」▼小浜・京都ルートのうち京都駅の西側約5キロにあるJR桂川駅付近の地下に新駅を設ける「桂川案」を主張。
対する維新は▼滋賀の米原駅で東海道新幹線に乗り入れる「米原ルート」▼小浜・京都ルートの「桂川案」を主張。
このため、両党が提案した「桂川案」が最有力との見方が強まっていた。
15日の会合では、正式に小浜・京都ルートの「桂川案」を延伸ルートに決定し、今後は着工5条件を満たすとする報告書が取りまとめられた。
15日の会合後、自民の西田昌司共同委員長は「早期に着工するためには桂川ルートのほうがより市民の理解が得られやすいのではないか」と説明。
維新の前原誠司共委員長も「経済波及効果や利便性は南北案が優れているが、京都市民の懸念を払拭し京都府市の同意を得て着工5条件を充足できる蓋然性に乏しいことに鑑みた中で、桂川案とした」と述べた。
小浜・京都ルート桂川案の決定に小浜市民からは「ほっと一安心。やっと決定が出た」
「嬉しい。小浜が活性化してほしい」と歓迎する声が上がる一方、「いいとは思うけど、あとは京都次第」「なんで桂川なのか…行きづらい」といった声も聞かれた。
京都市長「確たるコメントは出せない」
福井県選出の国会議員はそれぞれ、認可・着工に向けた進め方に言及した。
稲田朋美衆議院議員:
「選挙でも約束した小浜・京都ルートでの決着をみることが出来て、良かったというのが正直なところ。具体的なルートが決まったことによって、具体的な行動にもつなげていきたい」
滝波宏文参議院議員:
「ほっとしている。これからのフォローアップを自民と維新、与党一致団結して進めていきたい」
斉木武志衆議院議員:
「どういう政治状況でも新幹線は別だということで、京都府議会、大阪府議会の同意を得ることが一番重要だ」
一方、京都の行政トップは―
西脇京都府知事:
「京都府域を通る場合には、府民の理解と納得、関係市町の協力が不可欠」
松井京都市長:
「一般的に言えば南北案の方が地下水の負担が大きいと思っていた。ただ、桂川案ならどうなのかも含めて国や機構が示している情報を精査していく。現段階で確たるコメントは出せない」
2027年度中の認可・着工へ正念場
「小浜・京都ルートの桂川案」は、近く整備委員会の上部組織に当たる与党プロジェクトチームに報告されることになる。
今後、環境への影響調査やJRの同意をはじめとした「着工5条件」の確認作業などの行政手続きを経て2027年度中の認可・着工を目指すが、実際に工事が始まるまでにはいくつものハードルが残されたままだ。
小浜・京都ルートが一度決まったのは2016年。10年を経て、ようやく一歩前に進んだ形だ。その遅れを取り戻すには京都府や京都市の理解が欠かせず、石田知事が先頭に立ち調整をどう進めていくのか、正念場を迎えている。

