真夏の祭典・よさこい祭り本番まで、あと1カ月を切った。圧巻の隊列美とド派手な衣装で観客を魅了する「とらっくよさこい(ちふれ)」が、2026年の新衣装をついにお披露目した。
2025年、惜しくもよさこい大賞4連覇を逃した同チーム。よさこい大賞奪還に燃える2026年のテーマとデザインには、多くのファンから注目が集まっていた。
とらっくよさこい(ちふれ)の新たな挑戦
「とらっく」と言えば、これまでは派手な色使いと、前後の衣装で異なる2つのキャラクターを描くのが定番であった。2024年はウサギとオオカミ、2025年はカマキリと蝶を描き、独自の物語でファンを惹き込んできた。
7月10日、高知市保健福祉センターで行われた発表会。踊り子たちが「大賞を奪還できるインパクトのある衣装がいい」「鶴と亀が出てくるのでは」と期待を寄せる中、亀谷修一統括の「今年の衣装はこれだー!」という掛け声とともに、ついにベールが脱がされた。
150羽の鶴が舞う「御気楽翼々」の世界
現れた衣装は、これまでの派手な色使いを封印し、白と黒を基調とした落ち着いた印象のものだった。モチーフにする動物も「鶴」のみという、まさに予想を覆すデザインである。
2026年のテーマは「御喜楽翼々(おきらくよくよく)」。ひとりひとりが持っている魂の翼を広げ、これまで以上の踊りを目指して駆け上がるという意味が込められている。
衣装デザインを担当したのは、土佐清水市出身のデザイナー・武田錦さんだ。同郷の亀谷統括から声がかかり、わずか2日間でこのデザインを描き上げたという。
武田さんは「踊り子さんを一羽の鶴にするというテーマで作っている。使っている色はタンチョウヅルの頭の赤、それ以外はすべて黒一色」と語る。女性の美しさを際立たせると言われる赤、白、黒の3色で人が生きていく力強さを表現しているのだ。
原点回帰と細部へのこだわり
今回の衣装には「原点回帰」というテーマもある。当初は前後に2つのキャラクターをあしらう案もあったが、最終的にモチーフは鶴のみに決定した。
さらに驚くべきは、その細部へのこだわりだ。足元の黒足袋には、鶴の足元で水がはねた文様をスタッフが手描きしている。
「手作りでよさこいをする」という原点回帰の精神が、こうした部分にもしっかりと取り入れられているのだ。また、羽の柄があしらわれた生地には、よく見ると亀の模様も隠されているという遊び心も。
再び、てっぺんを目指して
この新しい衣装に、踊り子たちの士気も高まっている。10年目のリピーターは「今までとは違う1つのキャラクターでの勝負。初めての水引もきれい。みんなで翼々羽ばたきたい」と目を輝かせ、他の踊り子も「いい意味で裏切られた。新しい衣装ですごくうれしい」と喜びを口にした。
とらっくよさこい(ちふれ)の川村浩平代表は、「また新しい2026年、挑戦にもなっている。もう一度てっぺん目指して、ご観衆のみなさんとよさこい祭りを楽しんで、よさこいの風景をつくりあげていきたい」と力強く意気込みを語った。
本番まで残り1カ月弱。踊りこみ練習に加え、衣装を着た練習もいよいよスタートする。大賞奪還に燃える150羽の鶴が、高知のお城下にどんな旋風を巻き起こすのか。
熱い夏は、もうすぐそこまで来ている。
