食卓の人気者が厄介者に?
今、マグロ漁が盛んな地域である変化が起きています。
14日、長崎市で漁獲枠の拡大が議論された国際会議。
“海のダイヤ”と呼ばれるクロマグロの資源量は、2010年に1万2000トンでしたが、その後、国際的な資源管理のもと漁獲規制が強化され、その結果、2022年に資源量は約14万4000トンにまで回復しました。
日本は漁獲枠拡大の期待をしていたものの、メキシコの反対で合意に至りませんでした。
水産庁・福田工審議官:
1カ国(メキシコ)の不合理な対応により、合意できない事態となった。
この結果は、日本のマグロ漁業にどのような影響をもたらすのでしょうか。
「イット!」取材班は、マグロ漁が盛んな京都・伊根町に向かいました。
漁師たちは、ほぼ毎日のように沖合の定置網に向かいます。
網を海中から引き揚げると、次々と新鮮なマグロが引き揚げられていきます。
ところが、この豊漁が漁師たちの新たな悩みになっているというのです。
漁師たちが海に戻しているのは、次々と網にかかったクロマグロ。
京都府では2026年、クロマグロの記録的な豊漁で国が定める漁獲枠の上限に早々に達しそうになっていて、4月中旬から漁獲の自粛を続けているのです。
しかし、他の魚を狙って仕掛けた網に連日のようにマグロが入ってきてしまい、その度に放流を余儀なくされているのです。
漁師:
ウジャウジャいたらしんどいで。たまったもんじゃない。連日だもんな。
漁の度に網にマグロが入ることに頭を悩ませている京都・伊根町の漁業関係者は、マグロ豊漁の影響でさらなる悩みを抱えています。
蒲入水産・長谷川貴之社長:
大型のマグロについては(網の中で)暴れる。網を沈めて網から(マグロを)出す。それと同時に入っている他の魚種が一緒に出ていく。
さらに深刻なのは、マグロが増えすぎた影響なのか、小型の魚がこの海域を避けるようになったといい、今が旬のイカやトビウオの漁獲量が激減しているというのです。
その影響はいつまで続くのでしょうか。
近畿大学・有路昌彦教授:
日本近海は歴史的に今までにないほど高水温になっていて、暖かい海の方を好む魚はずっとそこに居続けてしまう。居座ってしまう状況になる。
蒲入水産・長谷川貴之社長:
迷惑ですよね。非常に厄介者。
漁師:
マグロはとれない以上、クマと一緒。害獣。
高級魚のはずが、地域にとって“厄介者”になりつつあるマグロ。
今後も気をもむ日々が続きそうです。
