各地で深刻化する“人里に現れるクマ”。その異常とも言える行動の背景と、住民を脅かす実態を取材した。
猟友会会長「毎日不安」
山口県岩国市の美和猟友会の政兼守会長が撮影した映像。
山口県 美和猟友会 政兼守会長:
この前のところにまたクマが入りました。おお~この前より太いねこりゃ…太いぞこれは!

設置した箱わなに捕獲されたクマが激しく暴れていた。
山口県 美和猟友会 政兼守会長:
かなり太ございますね。

クマの大きさに、猟友会の会長も思わず声を上げるほどだ。体長およそ1メートル50センチの成獣とみられる。
山口県 美和猟友会 政兼守会長:
大きいと思った。クマがバーッと(おりを)かんだり、ぶつかったりして。ひん曲がったね。そりゃ怖いよ。クマは。毎日不安よ、毎日不安。夜は(外に)出られない。危なくて。
家の中でクマと“目が合う”
各地であとを絶たないクマの出没。取材班は、異常事態が続いている岩手・雫石町に向かった。町では6日連続でクマが出没。被害は半径600メートル以内に集中している。

松原さんの住宅の敷地内には、この1週間だけでクマが4回侵入した。父親は、部屋に入ってきたクマと至近距離で“目が合う”という危機一髪の場面もあったという。
クマ被害に遭った松原勇太さん:
(クマが)家の中に入ってきて、父親の顔の横付近、一番近づいてきたというか。それで目が合って…。
さらに、子牛用の粉ミルクや飼料が食い荒らされるなどの被害にも遭った。

5日前の9日午前1時半頃、クマが勝手口から侵入。味を占めたのか、14日にも同じ場所に現れたという。勝手口の窓枠には、クマの爪でえぐられたような跡が残っていた。
さらに同じ日、“物音”が聞こえた先では・・・。

クマ被害に遭った松原勇太さん:
(スマホを見せる)きのうの朝に(農業用ハウスを)見たときに、(鉢植えが)崩れていて、よく見たらここ・・・(農業用)ハウスの入り口に穴が開いていた。(中で)キャットフードを食べた跡があった。
農業用ハウスに開いた大きな穴。中に侵入したクマはキャットフードを食べて出て行ったという。

クマ被害に遭った松原勇太さん:
(クマは)一度寄った家をキープしながら新たなエサ場を探して動き回っている。いや~精神的にきついですね。いつ(クマが)来るのか分からないというのが。
専門家「かなり異常な状態」
同じ町内に住む男性は、7月11日にクマによって自宅を荒らされたばかり。14日も庭にクマが出没したという。

クマ被害に遭った住人:
(母が)音を鳴らしながら外に出た。そしたら近くから(クマが)走って逃げた。1回侵入したところを2回、3回と狙ってくる感じ。夜になるのが怖い。
専門家は、クマがエサを求めて住宅に侵入する行為は非常に危険だと指摘する。

岩手大学 山内貴義准教授:
今回の場合は完全に食べ物を狙って、しかも人が近くにいる、もしくは(家の)中にいることを認識して侵入している。人間に対する危険度が下がってしまうと、食欲の方が勝り、だんだん行動がエスカレートすることになる。それがブレーキになって箱わなになかなか入らない。かなり異常な状態。
(「イット!」7月15日放送より)

