地元である高知県で、自らの作品を上映したい。その目標を抱き続けてきた映画監督が、ついにふるさとのスクリーンに帰ってきた。
香美市出身の映画監督、エリザベス宮地さんである。高知市のキネマミュージアムにて、彼のドキュメンタリー映画「みらいのうた」のリバイバル上映が行われ、あたたかな拍手の中で舞台挨拶がひらかれた。
吉井和哉の復活を追った3年間
本作は、ロックバンド「ザ・イエローモンキー」のボーカル、吉井和哉さんの姿を追った渾身のドキュメンタリーだ。
喉頭がんという大きな試練に直面した吉井さんが、不安と闘いながらも、再びステージに立つまでの3年間が刻まれている。レンズを通して描かれるのは、スターとしての輝きだけでなく、ひとりの人間としての苦悩と希望である。
映画館だからこそ生まれる熱量
今回のリバイバル上映は、「ザ・イエローモンキー」の高知公演をきっかけとして19日よりスタートした。舞台挨拶に登壇した宮地監督は、再上映への感謝をのべるとともに、映画館という場所の特別な魅力について語った。
「映画は、一方的にこっちからお客さんにみてもらう芸術と思われがちかもしれない。しかし、映画館という空間になると、そこにエネルギーや熱みたいなものが派生していく」と彼は語る。
さらに、「その熱がまた人を動かしたりすると思うので、それはもう映画館じゃないとおこりえない」と、言葉に力をこめた。
彼自身がカメラを回し、被写体と向き合うなかで感じた熱量が、スクリーンを越えて観客へと伝染していく。その奇跡のような瞬間を、監督は心から愛しているのだろう。
映画館でしか味わえない熱量と感動を
観客たちは、宮地監督の誠実な言葉にじっと耳をかたむけていた。
地元の人々にあたたかく迎えられたこの日は、監督にとっても、足をはこんだ観客にとっても、忘れられない時間になったに違いないだろう。
