北海道南部の福島町で、新聞配達員の男性がクマに襲われて死亡する事故から、2026年7月12日で1年が経ちました。
悲劇を防ぐ取り組みが続いているなか、男性の母親が今の思いを語りました。
「(息子は)優しい子だよ。私は本当に一人になってしまった」(亡くなった男性の母親)
福島町に住む70代の女性です。
2025年7月12日、当時52歳だった息子は、新聞配達中にクマに襲われました。
男性は100メートルほど引きずられ、その後、草やぶの中で死亡が確認されました。
男性は事故の前にも複数回クマに遭遇していました。
「(男性は仕事を)休まないで正義感の強い子だった。やさしい子」(母親)
UHBは北海道に対し、このクマへの対応をまとめた資料の情報公開請求を行いました。
そこに書かれていたのは、危険すぎるこのクマの生態でした。
「被害者を捕食目的で積極的に襲った可能性が考えられる」「被害者を連れ去り、離れた場所で草をかけるなどして確保していた」〈道の文書〉
このクマは1週間後に駆除されました。
体毛からDNA鑑定を行った結果、2021年に町内の畑で人を襲ったクマであることがわかりました。
さらに、2025年の事故の前にはゴミを持ち去るなどの出没を繰り返し、夜にゴミなどを探して市街地を徘徊していた可能性があるといいます。
町は対策を続けています。
「住宅地の外れに来ています。隣には山が広がっていて、町は1年が経った今もクマが侵入しないよう、電気柵を設置しています」(阿部空知記者)
事故後、山と住宅地の境目に約5キロに渡って電気柵を設置しました。
さらに、ゴミも収集日の当日に出すよう呼びかけています。
「(ゴミの)においを嗅いで来るというのがあるから(ルールを)守ってますよ、皆さん」(福島町民)
こちらの男性は、犬がクマに襲われないよう家の中で飼っているといいます。
「どっから出てくるかわからないからね。クマも生き物だしね」(福島町民)
今回クマについて調べた専門家は、生活の意識を変えていく必要があるといいます。
「クマがいるかもしれないということを十分に意識して生活することが重要。普段のゴミなどクマを誘引するようなものの管理を今まで以上に意識して徹底する」(道総研 釣賀一二三さん)
こうした対策で2026年4月以降、町内でのクマの目撃件数は3件と、2025年に比べて大幅に減少しました。
さらに、住宅地での出没はゼロです。
町は7月10日に市街地に出没したクマを自治体の判断で駆除できる「緊急銃猟」の訓練を初めて行いました。
「ちょっとつらくなるな、振り返ってみると。もう二度とあのような悲惨な事故は起こしたくない。もう(被害を)出さないように私たちが一生懸命頑張ってます」(道猟友会松前支部 道下志郎支部長)
さらに、隣接する松前町と地元の猟友会の三者で再発防止に向け連携協定を結びました。
福島町にはクマの駆除ができるハンターが1人しかおらず、人員不足が課題となっていました。
今回の協定で福島町の市街地に出没した際は、松前町のハンターもすぐに駆除活動を行えるようになります。
「同じ過ちを二度と繰り返すことのないという強い決意で行った」(福島町 鳴海清春町長)
クマに襲われて亡くなった男性の母親。
被害が繰り返されないことを願います。
「息子みたいにならないようにしてもらいたい」(亡くなった男性の母親)
