長野市桐原に菓子店がオープンしました。思い出がつまった実家を改装して店に。42歳、3人の子をもつ母親が小さい頃からの夢だった菓子店を始めました。
■念願の「自分の店」をオープン
店内のショーケースに並んだたくさんのケーキ。果肉がたっぷり入ったメロンのショートケーキに、今が旬の「アンズ」をぜいたくに使ったタルトもー。
6月25日、長野市桐原にオープンした菓子店「時のなぎ」。
この日は開店初日でしたが、客でいっぱいに。
市内からの客:
「SNSで知って、自宅の近くだったので、どうしても食べたくて買いに来ました。アンズが旬ですし、それのタルトということですごく楽しみ」
時のなぎ 店主・吉田友美さん:
「お並びいただいて、ありがとうございます」
店主は、長野市の吉田友美さん(42)。パティシエ歴20年以上のベテランです。これまで市内の菓子店やカフェで働いて腕を磨き、ついに念願だった「自分の店」をオープンさせました。
吉田友美さん:
「私は小さい時からケーキ屋さんになる、お店を出したいというのが夢だったので、たくさんの方々に来ていただいて、無事にオープンを迎えられてホッとしています」
■季節を巡る旬のケーキ
こだわっているのは、その季節の「旬の食材」を使うこと。ショートケーキに使うフルーツは、季節ごとに変える予定です。
吉田友美さん:
「季節が巡るたびにフルーツや食材、その時のおいしいものを食べてほしい思いが強い。このフルーツが出てきたから、そろそろあのケーキがきっと出るよね、と思い出していただけるようなケーキ屋になりたい」
吉田さんが得意とする「タルト」に使っているのは、県産の「アンズ」。県産の食材を積極的に使っています。
(記者リポート)
「甘酸っぱいアンズの味わいがそのまま残っていて、濃厚なクリームとよくあいます。しっとりしたアンズとサクサクのタルトの食感の違いが楽しめて、とてもおいしいです」
■生まれ育った実家を改装
店は長野電鉄・桐原駅のすぐ近くにあります。実はここ、吉田さんが生まれ育った実家です。1階部分を菓子店とカフェスペースに改装しました。
吉田友美さん:
「この庭で自転車を押したりとか、スイカ割りしたりとか、思い出はいっぱい詰まっています」
結婚して家を出る10年前まで過ごした実家。母・峯子さん(79)が2、3年ほど前まで1人で住んでいましたが、介護施設に入ったため空き家になっていました。
住む人がいなくなり、荒れてしまった実家。
吉田友美さん:
「ここをどうしたらいいんだろうなと、でもやっぱりきょうだいで話しても、売るのもちょっと寂しいよね、という話もあって」
自分の店をもつのは、パティシエとして、また、小さいころからの夢でした。一方で8歳、6歳、1歳の3人の小さな子をもつ母親でもあり、店を出すか悩みましたが、母親の言葉や家族の応援もあり、店を始める決断をしました。
吉田友美さん:
「昔からここでケーキ屋さんをやりなよって母がずっと言ってくれていて、早くやらないと、どんどん年もとってしまうし、やりたいことはやりたいときに早くやろうということで。家族もすごく応援してくれているので今だと」
■思い出の柱残し古民家風に
家族団らんで過ごした居間はカフェに。母親とお菓子作りをした台所は新しく、きれいにしました。
柱や梁はそのまま残し、古民家風の店内に。これは、「茶房」のように、落ち着いた雰囲気を意識した吉田さんのこだわりです。
吉田友美さん:
「こんなにすてきになって、思い描いていたものに仕上げていただいて、(母へ)報告はしてるんですが、まだ来てはいないので、多分見たらすごくびっくりすると思います」
■ファンも近所の人も大歓迎
約1年間の改装期間中、イベントやシェアキッチンに出店し、準備をしてきた吉田さん。その時からのファンも開店に駆け付けました。
千曲市からの客:
「クリスマスマーケットに出店されてるときに初めて食べて、とってもおいしくて。一口食べただけで幸せになれるというか。常設になって、行きたいと思ったときに行けるのがうれしい」
近所の人も、菓子店のオープンを楽しみにしていました。
清水英行さん、由美子さん夫婦は、チーズケーキとタルトを購入。近くの自宅に持ち帰り、早速、いただきました。
妻・由美子さん:
「ピスタチオのクリームがすごく濃厚で、タルト生地もすごくサクサクでとてもおいしくいただきました。非日常感を味わいたいときに、気軽にいける距離にあるのもすごくありがたい」
清水英行さん:
「近場にはケーキ屋さんとかなかったので、食べたいと思ったとき、近くにできてうれしい」
■開店3時間で完売の盛況
初日から大勢の人が訪れ、開店から3時間後にはすべて売り切れました。
7月7日からはカフェの営業も始めます。
夢を実現した菓子店はまだ始まったばかり。これから新たな思い出をこの場所で刻んでいきます。
時のなぎ 店主・吉田友美さん:
「自分が過ごしていたこの場所で、こんなふうにお店をやれて、お客さんが自分のお菓子を求めて買いに来てくれて、ここでやってよかった。いつも新しい発見があるような、いまこの季節でこのケーキがあるんだと、お客さまに喜んでいただけるケーキを作っていきたい」
時のなぎ
営業時間:正午~午後4時 休み:日曜、月曜
