南シナ海の大半に主権が及ぶとする中国の主張を、オランダ・ハーグの仲裁裁判所が否定する判断を出してから12日で10年を迎えたことを受け、茂木外務大臣は「紛争当事国を法的に拘束するもので、仲裁判断に従う必要がある」などとする談話を発表した。

南シナ海を巡る国際仲裁手続きは、中国の主張が国連海洋法条約(UNCLOS)に違反するとしてフィリピンが起こしたもので、仲裁裁判所は2016年7月12日、中国が主張する独自の境界線「九段線」に「法的根拠はない」などと判断した。

判断から10年の節目を迎え、日本の外務省が発表した茂木大臣の談話では、「仲裁判断は最終的なものであり、紛争当事国であるフィリピンと中国を法的に拘束するものだ。したがって、両国は仲裁判断に従う必要がある」と強調。

その上で、「日本は、仲裁判断で明確に示されている通り、南シナ海における中国の拡張的な海洋権益に関する主張には法的根拠がないことを再確認する」とした。

また、「仲裁判断を受け入れないという中国の主張は、UNCLOSに反映されている国際法に従った紛争の平和的解決の原則に反し、国際社会における法の支配を損なうものだ」と指摘した。

一方のフィリピンについては、「一貫して仲裁判断に従い、南シナ海における紛争の平和的解決にコミットメントを示している立場を高く評価している」とした。

そして、仲裁判断以降10年の南シナ海の状況について「地域の平和と安定を脅かす力または威圧による一方的な現状変更の試みが継続・強化されている。日本は、こうした試みに強く反対する」と表明。

さらに、「航行・上空飛行の自由を脅かす危険な行動」「係争地形の軍事化」などを挙げ、「地域の緊張を高める行為に改めて深刻な懸念を表明する」とした。

談話の末尾では、「引き続きASEAN(東南アジア諸国連合)諸国やアメリカをはじめとする国際社会と連携しながら、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化していく」との日本の立場を強調している。

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