規格外で廃棄される野菜を、格安で販売する店舗があります。

 物価高に立ち向かうだけではなく、フードロス削減にもつながる取り組みです。

 「1キロのトマトが200円で安いです。もうひとつ買っていきます」

 「ピーマンを買い、アスパラを買い、ゴボウを買ってジャスト1000円。このピーマンが100円、ありえないですよ」(いずれも買い物客)

 札幌市中央区のこちらの会社、本来は衣料品の卸売りが専門です。

 しかし、月に数回、野菜などを格安で販売する「プラスフード」という店舗に変身します。

 「傷や汚れ、少しやわらかくなったなどの理由で“ハネもの”になったメロンです」(竹栄 プラスフード事業部 中村 敏憲さん)

 安さのワケは、規格外で廃棄される“ハネもの”と呼ばれる商品でした。

 賞味期限が迫っていたり、形が整っていなかったりしても、味は変わらない商品を格安で販売しています。

 「切った時にだめな部分は切除してもらえば、残りはおいしく食べられる」(中村さん)

 運営する中村敏憲さんはフードロスの多さに心を痛め、6年前に「プラスフード」を立ち上げました。

 農家などから“ハネもの”を仕入れ販売しています。

 開催は不定期で入口のノボリが目印。

 入荷する品物や価格はSNSで発表されます。

 この日の目玉は大玉のスイカ、1200円です。

 「3Lサイズで相場は2500~3000円。台風で物流が止まったのか、納期遅れで北海道に着いた時にはキャンセルになった品物では」(中村さん)

 さらに、少し変わった品物も入荷します。

 冷凍の国産タマネギのスライスです。

 1袋およそ6個分、1キロ入りで250円です。

 「カレーなどで、冷凍したままの状態で鍋に入れ煮込める。切ったり、皮をむいたりする手間がはぶけて時短でできる」(中村さん)

 どこから仕入れた、どんな“ハネもの”なのでしょうか?

 仕入れ先は、なんと焼き鳥専門店。

 こちらの焼き鳥は店舗だけではなく、キッチンカーなどでも販売しています。

 そこで、大量に出るのが。

 「串に刺すタマネギですが、中心部分だと細すぎて割れてしまう。“ハネもの”が3~4割は出る」(戦国やきとり事業統括 奈良 泰光さん)

 焼き鳥には使えない“ハネもの”のタマネギ。

 一部はラーメン店などに販売していましたが、廃棄するケースもあったといいます。

 消費者庁によりますと、国内の家庭や飲食産業などから出た食品の廃棄物2104万トンのうち、4分の1近くが本来食べることができたはずの品だといいます。

 「そういうものが転用され世の中に流通してゴミが減ったり、原価高騰が最近すさまじいので、そのカバーになればいいと思う」(奈良さん)

 「プラスフード」でこの冷凍タマネギを手にした人は。

 「肉と炒めたり、スープに使ったりしようと思う」

 「5人家族で人数も多い。夫の実家が農家で、フードロスになる野菜を悲しい問題だと思っていた」(いずれも冷凍タマネギの購入客)

 フードロスを減らし、おいしく食べるにはちょっとした工夫も必要です。

 「これは過熟スイカ。熟しすぎたスイカで、普通に食べるとおいしくない。ただ、すごく甘い。ジュースにすると普通のスイカと比べ、すごくおいしい」(中村さん)

 入荷した品のほとんどは、1日から2日で売り切れるといいます。

 「スイカとアスパラガスとピーマンとゴボウ。こんなに立派な品物があると思わなかったので、うれしいです」(買い物客)

 フードロス削減で物価高を乗り越える、賢い知恵の輪が広がっています。

北海道文化放送
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