令和のコメ騒動から一転、今「コメ余り」が起きています。下がり続けるコメの価格に、生産や流通の現場は危機感を募らせています。
■今年は生育順調も…心配は「コメ余り」
愛知県弥富市で米作りを行う鍋八農産では、8月から早場米の稲刈りが始まります。

鍋八農産の八木輝治社長:
「(生育状況は)今のところ問題ない。今年台風の発生が多いので、台風が当たらなければいいな」
今年は順調に稲が生育しているということですが、心配なのが“コメ余り”です。

八木社長:
「令和8年産はたぶん去年が異常な値段だったから下がるのはわかるけど、お米が余ってて、どこまで下がるか読み切れなくて、そこの心配はありますね」
猛暑や需要の増加などで、2年前から始まった「令和の米騒動」。5kgあたりの米の平均価格は去年3月ごろに4000円を超え年末までにピークに。その後じわじわと下がり6月末の価格は3554円となっています。

政府が備蓄米を放出し市場に流通する米が増えたうえ、去年は収穫量が多く供給が需要を大きく上回る事態となったのです。

専門家はこれらに加えて消費量の低下も指摘します。
宇都宮大学農学部の松平尚也助教
「2025年度は1人1か月あたりのコメ消費量が前年比6.1%減少しています。お茶碗4.4杯分に相当する。毎月4.4杯分が減っている状況になっている」
■コメ作りのコスト上昇も…スーパーでは「特売品」に
岐阜市にある「スーパー三心 鏡島店」の米売り場には「お買い得」や「特売品」、「在庫一掃セール」の文字が並び、5kg3000円前後の価格帯が目立ちます。

止まらない物価高の中、消費者からは安堵の声も。
客ら:
「(価格が)めちゃくちゃだから安い時を狙って買います」
「前よりはちょっとお値打ちになったと思います」
一方、生産者側は複雑な気持ちです。
鍋八農産の八木社長:
「7年産を持っていると、それを先に売らないことには8年産は売れないので、そうなると8年産(の販売)はいつスタートするのだろう」
農家では原油高に伴い人件費や肥料が値上がりし、生産コストは1割から2割上がっているといいます。

八木社長:
「適正なある程度の値段で落ち着いてもらえればいい。それを(コストが)割ってしまうと赤字で成り立たなくなってるので。そのバランスが大事」
■コメの値下がり続く…適正価格は
5月末までのお米の民間在庫量は、去年は148万トンだったのですが今年は223万トンで過去最大だった2014年と並ぶ水準となっています。

それにより5キロ当たりの価格は一時4400円にまでなっていたのですが、じりじり下落して最新の価格は3554円と900円近く下がっています。
では、コメの適正価格はいくらが良いのでしょうか。
宇都宮大学農学部の松平尚也さんは「生産者のコストを考えると5キロ3000円~3500円程度が再生産可能な価格。供給が多い現状を考えると5キロ3000円が一つの目安」としています。

